ライバルに後れをとる現状を危惧するサインツ。レースではタイヤのひどいデグラデーションにも苦戦/F1第1戦
フェラーリのカルロス・サインツは、2023年のF1開幕戦バーレーンGPを終えて、フェラーリはレッドブルやアストンマーティンに後れをとっており、レースではひどいデグラデーションにも苦しんだと振り返った。
プレシーズンテストでアストンマーティンは非常に好調に見えたが、それがフリー走行、予選、レースでのパフォーマンスにつながるのかどうか、多くの人々が疑問を持っていた。しかしバーレーンGPでそれらの疑問に明確な答えが出された。
アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、予選で5番手につけた。オープニングラップではメルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルに抜かれ、チームメイトのランス・ストロールと接触したものの、激しい追い上げを見せて表彰台を獲得したのだ。
レースのハイライトは、アロンソがサインツに追いつき、力づくで追い抜いたところだ。いくら考えても、サインツは日曜夜のアストンマーティンのペースについて答えが出せなかった。サインツはこの状況を「大きな懸念がある」と表現した。
「集中して懸命な作業をし、いかにしてトップとの差を埋めるかを見極める時だ。まだ1戦目だが、何があっても僕たちはプッシュを続ける」
「現在の僕たちはレースでアストンマーティンの後ろにいるし、明らかにレッドブルにも遅れをとっている」とサインツはパドックでメディアに語り、フェラーリの2023年型マシン『SF-23』はひどいタイヤデグラデーションを起こしているようだと述べた。
「レッドブルもアストンマーティンも、双方のマシンに何かがあるのは明らかだ。デグラデーションがはるかに少ない。メルセデスと僕たちを見てみると、僕たちのデグラデーションの具合はとても似ている。どういうわけか他の2台は摩耗していない」
「このことを調査して分析し、対応を見極める必要がある」とサインツは認めたが、一方でバランスの悪さはコース特有のものかもしれないと語った。
「リヤタイヤの摩耗を減らし、持ちこたえることができる他のコースへすぐにでも行けたらいいのに。ここバーレーンでの状況が厳しいことは、テストですでにわかっていた。これからは今後のレースに向けて改善に集中する必要がある」
サインツはアロンソとの戦いを「素晴らしいバトル」と表現したが、それによってハミルトンが彼らに追いつき、終盤のラップでサインツをもう少しで追い抜くところだった。
アロンソとのバトル中に軽く接触したときのことを尋ねられたサインツは、次のように語った。
「後ろの方に(接触があったと)感じた。でも正直言ってあれはクリーンなバトルだった。少しだけ接触しただけだ」
「このバトルであやうくルイスにポジションを取られるところだった。僕たちのマシンはフェルナンドを抑えるために少しプッシュをしただけで、タイヤが摩耗してしまっていたからね」
「デグラデーションがひどすぎるのは問題だ。プッシュし始めると、タイヤ温度が上がりすぎてしまう。つまりレースであまりマージンが持てないということだ」
サインツのチームメイトのシャルル・ルクレールは、40周目にマシンが止まったためリタイアを余儀なくされた。
「後続に対してギャップに余裕があったし、いいペースが出せていたけれど、残念ながらパワーを失ってしまった」とルクレールは話した。
「残念だよ。原因を調べて、何が起きたのかしっかり理解するつもりだ」
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