レッドブル&HRC密着:FP3前にギヤボックス交換もドライブシャフトに問題。再度交換の場合は今後のペナルティを覚悟か
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)から悲痛な叫び声が聞こえてきたのは、F1第2戦サウジアラビアGP予選Q2のセッションが開始して6分が経過したときだった。
フェルスタッペン:トラブルだ。エンジンに問題が出た
ジャンピエロ・ランビアーゼ(担当レースエンジニア):了解
フェルスタッペン:クラッチが切れない。どうすればいいか教えてほしい
ランビアーゼ:わかった
ランビアーゼ:そのまま、急いでピットに帰ってきてほしい
フェルスタッペン:それは聞きたくなかった
ランビアーゼ:ヒュルケンベルグが接近しているから道を開けて
フェルスタッペン:加速できない
ランビアーゼ:わかった、マックス。できることはやるから、できるだけ早く帰ってきてほしい
フェルスタッペン:どのギアで走ればいいのか教えてほしい
ランビアーゼ:リチャージをオンにして、デフ12だ。オコンが5秒後方にいる
フェルスタッペン:他のマシンは?
ランビアーゼ:いまのところ、あとはマグヌッセンだけだ。8秒後方にいる。ターン27までに彼を行かせてほしい。よし、いまクリアになった。ボックスだ。計量ブリッジに気をつけて
こうしてピットインしたフェルスタッペンのマシンはすぐにガレージに押し戻されたが、この日、二度とコースに戻ることはなく、予選15番手で終えた。
その後、チームはドライブシャフトに問題があったと発表。じつはこの日、フェルスタッペンはフリー走行3回目の前に、ギヤボックスを交換していた。
日曜日のレースに向けて、レッドブルがどのような対策をしてくるのか、現時点では不明だが、ギヤボックスはドライブシャフトと連結されているため、ギヤボックスを交換してくることも十分考えられる。
同じスペックであれば、ピットレーンスタートではなく、15番手からスタートすることになる。フェルスタッペンの圧倒的な速さがあれば、日曜日のレースで表彰台圏内まで挽回することは決して不可能ではない。ただし、もしギヤボックス交換した場合、別の不安が発生する。
ギヤボックスに関するレギュレーションは2022年に変更され、ギヤボックスは新たに創設されたRNC(基数制限コンポーネント)のリストに加わり、ふたつのコンポーネントに分けられた上で、それぞれに対してパワーユニットと同様に年間上限基数が設定された。ひとつはギヤボックスのケース及びカセットで、もうひとつがドライブライン、ギヤチェンジ、補助部品だ。ふたつのコンポーネントともに年間23戦以下の場合は4基までとなっており、違反した場合は5グリッド降格ペナルティが科せられる。
もしフェルスタッペンがギヤボックス交換すれば、それは3基目となり、今後どこかでペナルティを覚悟して5基目のギヤボックスを投入することは必至な状況となる。
日曜日の昼過ぎにパルクフェルメ状態が解禁された後、レッドブルがどんな作業を行うのか。それは日曜日のレースだけでなく、今シーズンのチャンピオンシップ争いにも影響を与えるだけに注目したい。
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