各コンパウンドが期待どおりの性能。C2ハードはあらゆる要求を満たす/ピレリ F1オーストラリアGPレポート
3月31〜4月2日にアルバート・パーク・サーキットで開催された2023年F1第3戦オーストラリアGP。赤旗3回と荒れ模様のレースをF1にタイヤを供給するピレリが振り返った。
■タイヤから見たレースのポイント
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がオーストラリアGPで自身初となる優勝を飾った。アクション満載のレースで、現役のワールドチャンピオンは他のふたりのワールドチャンピオンを率いてチェッカーフラッグを受けた。
オーストラリアGPは、フィニッシュからわずか1周前の赤旗を含む3回のセーフティカーと3回の赤旗によって中断され、2回のスタンディングスタートと最後のローリングスタートとなった。また、ピットレーン出口で停車した車両により、バーチャルセーフティカーも登場した。
レース戦略は、度重なるセーフティカーやレース中断の影響を大きく受けることになった。トップ3はP Zeroイエローのミディアムタイヤでスタートし、最初のピットストップでP Zeroホワイトのハードタイヤに交換した。最後の3周は、各ドライバーが新品と中古という2種類のソフトタイヤで走ることになった。
表彰台に上ったフェルスタッペン、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)を含む10人のドライバーが、ハードタイヤで47周のロングスティントを走破した。
エステバン・オコン(アルピーヌ)は、1周目終了後に装着したハードタイヤを1回目の赤旗中断時にも交換せず、そのままのタイヤで54周を走破。アルファロメオとバルテリ・ボッタスと周冠宇も、同じセットのハードタイヤを50周以上使用した。
ニック・デ・フリース(アルファタウリ)は、ミディアムタイヤで37周、ミディアムタイヤで9周と、利用可能なふたつのコンパウンドで最も多く連続周回を重ねたドライバーだ。
セルジオ・ペレス(レッドブル)はハードタイヤで1分20秒235のファステストラップを記録し、このコンパウンドで最も長いスティントを走ったドライバーのひとりである。ミディアムタイヤの最速はアロンソの1分22秒603、ソフトタイヤの最速はデ・フリースの1分21秒183となっている。
■ピレリモータースポーツディレクター マリオ・イゾラのコメント
「3回の赤旗中断、セーフティカー、バーチャルセーフティカーと、まさに波乱万丈のオーストラリアGPだった。タイヤの挙動は、ハードのC2タイヤを筆頭に、各コンパウンドが期待どおりのパフォーマンスを発揮してくれた」
「7周目にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がコースアウトし最初のセーフティカーが導入されると、ミディアムでスタートしたドライバーがハードに履き替え、さらにコース清掃のために赤旗が提示されると、他のドライバーもハードに履き替えた」
「フリー走行では10周以上のスティントを重ねるドライバーはほとんどおらず、ロングランの情報は少なかったが、C2ハードはデグラデーションに関して非常に安定したタイヤであり、C3ミディアム、C4ソフトのペースから遠く離れておらず、あらゆる要求を満たすタイヤであることが示された」
「3つのコンパウンドがスターティンググリッドに並んだことで、メルボルンにC4ソフトタイヤを持ち込んだことがいかに正しかったかがわかる。C4ソフトもC3ミディアムも、オーストラリアGP決勝の気温が高く、路面がこすれているなかの比較的短いスティントでも良いパフォーマンスを発揮してくれた」
■次のレースに向けて
F1は1カ月に3レースという非常に激しいスタートを切った後、しばしの小休止を挟む。次のレースは、4月28〜30日にかけて行われるアゼルバイジャンGPで、ピレリはFIA F2もサポートする。その1週間後には、2023年最初のアメリカでの3レースが行われ、マイアミでは2年目となるハードロックスタジアムでのグランプリが開催される。
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