2016年のデジャブ? F1スペインGP予選で起きたメルセデスの”バカバカしい”同士討ちの背景とは
F1スペインGPの予選Q2の最終盤では、メルセデスのジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンがホームストレート上で接触。この件について、チーム代表のトト・ウルフは、「愚かだった」と認めている。
ただ、アクシデントの前に両ドライバーに送られたチーム無線を聞いてみると、この同士討ちが複雑なセッションの中で発生した単純なコミュニケーションミスだということが分かる。
予選Q2でラッセルとハミルトンは、少々異なる走行プランでピットアウトしており、ラッセルが最後のタイム計測を終えたタイミングでハミルトンが最終アタックに出ることとなっていた。
ただラッセルは、レッドブルのセルジオ・ペレスがターン5でグラベルへ飛び出してコース復帰を果たした数秒後、同じターン5でエイペックスを逃し、タイム計測を中断。走行プランの変更を余儀なくされた。
ラッセルは次の周回で再アタックをかけるべく、すぐにペースを落とし、タイヤとデプロイメントの準備を始めた。その際、ラッセルはタイム計測を行なっているマシンが後方から来ないか、チームに無線で尋ねた。
ラッセルは後方から迫るレッドブルのマックス・フェルスタッペンに最終セクションで抜かれることになると告げられ、フェルスタッペンのためにレコードラインの外へマシンを振った。
その後ラッセルは、次にフェラーリのカルロス・サインツJr.がアタックラップ中であることを告げられ、タップ妨害にならないようターン13から大きく車速を落とした。
チームは低速で走るラッセルにパワーユニットのモードを”ストラット2”へ変更するようにアドバイスし、ラッセルは「他に誰かいないか?」と後方ドライバーの有無を尋ねた。
その質問に対し何の返答も得られなかったラッセルは、次の周回でアタックを行なうべく、最終コーナーを立ち上がったサインツJr.のスリップストリームを得ようとした。
しかしその時、準備ラップを終えてタイム計測へ移ろうとしていたハミルトンが、思いがけずラッセルの後ろに迫っていた。
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