ハースF1代表、スチュワードへの「不快感を与える発言」で戒告処分。ペナルティへの不満爆発も、後に謝罪
ハースF1チーム代表ギュンター・シュタイナーは、F1モナコGPでのペナルティについてFIAスチュワードを批判した際の表現が問題視され、スペインGPの土曜、スチュワードから呼び出しを受けた。公聴会の結果、関係者に不快感を与える発言をしたと判断され、シュタイナーは戒告を受けた。
FIAは、シュタイナーが6月1日にメディア・カンファレンスで口にした表現を問題視した。この時、シュタイナーは、モナコGPの1周目にハースのニコ・ヒュルケンベルグがウイリアムズのローガン・サージェントとの接触を引き起こしたとして、5秒のタイムペナルティを受けたことへの不満を述べていた。
シュタイナーは、2台はサイド・バイ・サイドになったものの、物理的な接触はなかったと主張した。
「今も説明を求めているところだ。完全に間違っていると私は思っている」とシュタイナーはスペインGPを前に述べた。
「映像のなかに接触が映っていると言われた。だが、たくさんの写真を見たが、私には接触は見えない」
シュタイナーは、F1は、スチュワードの判断に一貫性を高めるため、フルタイムの「プロのスチュワード」を起用すべきであるとも述べた。
「どのプロスポーツも、プロが審判を担当している。F1は世界でも最大のスポーツのひとつだ。なのに、キャリアに何百万ドルも投資する人々の運命をいまだに素人(『laymen』)が決めている。そして、一貫性がないために、常に議論が持ち上がる」
「ステップアップが必要だ。今がその時だと思う。長年議論してきたが、いつもこの話に戻る」
シュタイナーの使った『laymen』(素人、専門家でない人の意味)という単語と、『他のスポーツはプロのスタッフが担当している』という発言をFIAは問題視した。これらの言葉は「不快感を与える可能性があり、実際にそうであった。我々の見解では、モナコのスチュワードだけでなく、他のFIA関係者および多数のモータースポーツのボランティアに不快感を与えたと考える」とスチュワードの声明には記されている。
シュタイナーは公聴会において、『professionalism』という言葉は、ある役割を職業として働いている人々を指して言ったものであり、スチュワードがプロフェッショナリズムに欠ける行為をしているということではないと述べ、スチュワードはその説明を受け入れた。
また、シュタイナーは、『laymen』という単語は、時折その仕事をする人々のことを指して言ったものであり、資格や専門性がないことを意味したのではないとも述べた。その上で、シュタイナーは、「私の発言によって誰かが傷ついたり、私の発言を誤解する人々がいるとすれば謝罪する」と述べ、スチュワードはこの謝罪を受け入れた。
公聴会の結果、スチュワードは、FIA国際競技規則12.2.1.k条(競技関係者に対する不正行為を禁止する項目)への違反があったと判断し、シュタイナーに戒告を言い渡した。
スチュワードは、判決文の最後にこう付け加えた。
「スチュワードは、いかなる当事者もイベントのスチュワードの決定に反対する権利を有することに留意するが、そのような反対意見は、敬意をもって表現されるべきであり、それが可能であるという、強い見解を持っている」
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