レッドブル&HRC密着:ドライバー、チームともにさらなる勝利記録のかかる一戦。鬼門のイギリスGP初日はトップ
前戦オーストリアGPで、偉大な王者であるアイルトン・セナの勝利数を超える42勝目を挙げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。この第11戦イギリスGPは、別の記録に挑む一戦となる。
まずシーズン中の6連勝だ。1シーズンで6連勝以上しているドライバーは3人しかいない。ひとりはアルベルト・アスカリでフェラーリ時代の1952年に、第3戦ベルギーGP〜第8戦イタリアGPまで6連勝している。もうひとりはミハエル・シューマッハーで、こちらはフェラーリ時代の2004年に、第7戦ヨーロッパGPから第13戦ハンガリーGPまで7連勝している。そして、3人目はセバスチャン・ベッテルで、レッドブル時代の2013年に、第11戦ベルギーGPから第19戦ブラジルGPまで、なんと9連勝していた。
もし、フェルスタッペンが今年のイギリスGPを制すれば、第5戦マイアミGPから第11戦イギリスGPまでの6連勝となり、1シーズン中の連勝記録としてはアスカリに並んで史上3位となる。
もうひとつの記録は、チームとしての連勝記録だ。レッドブルは今年、開幕から第10戦オーストリアGPまで9連勝している(第6戦エミリア・ロマーニャGPは中止)。つまり、このイギリスGPでも連勝すれば、開幕から10連勝となる。
F1における連勝記録は1988年のマクラーレン・ホンダの開幕11連勝がある。つまり、レッドブルはこのイギリスGPで優勝しても開幕からの連勝記録という点では、ひとつ及ばない。
だが、レッドブルは昨年の最終戦アブダビGPで優勝しているため、シーズンをまたいた連勝記録としては「11」となり、1988年のマクラーレン・ホンダの記録に並ぶ。
今シーズンここまでのレッドブル・ホンダRBPTの強さを考えると、その強さはシルバーストン・サーキットでも揺らぐことはないように思える。実際、初日の2回のフリー走行でフェルスタッペンはいずれもトップタイムをマークした。
しかし、レースは何が起きるかわからない。しかも、レッドブルにとって、イギリスGPは鬼門のグランプリとなっている。
昨年はトップを走行していたフェルスタッペンがアルファタウリ2台の接触によって路面に散らばっていたパーツを拾ってその後、失速し、優勝を逃した。2年前の2021年はポールポジションからスタートした直後にルイス・ハミルトン(メルセデス)と接触してリタイアに終わった。
フェルスタッペンは2020年にシルバーストンで優勝しているが、それは70周年記念GPという名称であり、イギリスGPはいまだ優勝した経験がない。またレッドブルにとっても最後にイギリスGPを制したのは2012年のマーク・ウエーバーだ。
1988年のマクラーレン・ホンダも連勝がストップしたのは、周回遅れに追突されるというまさかの結末だった。
果たして、歴史は繰り返されるのか。あるいはレッドブル・ホンダRBPTがマクラーレン・ホンダの記録に並ぶのか。土曜日のシルバーストンは、雨が予報されている。
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