【F1ハンガリーGP予選の要点】復帰戦で巧さを見せたリカルド。新品ハードを2セット投入しQ2進出を果たす
2022年最終戦アブダビGPを最後に、実戦から遠ざかっていたダニエル・リカルド。8か月ぶりとなる復帰第1戦は、著しい成長と安定感を見せるチームメイト、角田裕毅との直接対決という意味でも、大いに注目を集めた。
その前哨戦ともいうべき今回の予選で、角田は17番手でQ1落ち。一方のリカルドはしぶとさと巧さを見せて、Q2進出。ここ5戦では、アルファタウリの最高位となる13番グリッドを獲得した。
この週末はATAと呼ばれる、代替的なタイヤ配分システムが試験的に導入された。各ドライバーへのタイヤ本数が減らされるほか、予選Q1はハード、Q2はミディアム、Q3はソフトと、使用コンパウンドも規定された。
アルファタウリは今回、前後のウイング、フロアなどにアップデートを投入し、フリー走行2回目で角田が総合4番手タイムを出すなど、ある程度の改善の兆しは見せていた。とはいえカナダ以降の3戦は、すべてQ1落ちを喫している。久々のQ2進出のために、角田とリカルドはFP3からハードタイヤを積極的に使い、万全を期した。
さらに予選Q1でも、残り2セットになっていたハードのニュータイヤを惜しげもなく投入した。決勝レースは路面温度が40度を超え、タイヤのデグラデーション悪化が予想されるだけに、ハードのニュータイヤが大きな武器になる。しかし今のアルファタウリに、そんな贅沢をする余裕はない。
ふたりはまず、FP3で使用した中古ハードでアタック。角田19番手、リカルド20番手が精一杯だった。しかしニュータイヤで出て行ったふたりは、まずリカルドが7番手タイム。そして角田は、チームメイトのタイムをコンマ1秒上回って4番手につけた。
だが前夜の雨で路面がグリーンな状態に戻ったこともあって、周回ごとにラップタイムは上がっていった。残り2分の時点で、角田12番手、リカルド15番手と、順位はどんどん落ちていった。
そこでチームは2台に最後のニュータイヤを履かせ、アタックに送り出した。角田はセクター1で自己ベストを更新できず。最終コーナーでケビン・マグヌッセン(ハース)に詰まり、タイヤのウォームアップが十分にできなかったのかもしれない。
対するリカルドはセクター1で自己ベスト。ただしセクター2は角田が自己ベストを出したのに対し、リカルドはわずかにタイムロスを喫した。この時点では角田がリカルドを0.077秒凌いでいた。
しかしセクター3での角田は、リカルドにコンマ2秒遅れを取り、17番手でQ1落ちを喫した。15番手で辛くもQ2に進んだリカルドとの差は0.013秒しかなかったが、ふたりの明暗は大きくわかれた。アルファタウリ以上の戦闘力を持つアストンマーティンのランス・ストロールがタイムを取り消されたこともあって、リカルドは13番グリッドを獲得できたのだ。
乗り慣れたレッドブルとはまったく挙動特性の違うアルファタウリで、いきなり角田を破ってのQ2進出。去年までのマクラーレン同様、AT04に苦戦するのではという見方もあったリカルドだったが、さすがというべき実力を見せた予選だった。
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