アルピーヌF1を離れるサフナウアー「チームで働く善良なスタッフを後に残していくのは悲しい」と語る
アルピーヌの元チーム代表オットマー・サフナウアーは、チームを離れるにあたり後に残してきた同僚やアルピーヌの「善良な人たち」のことを思うと、悲しみを感じると述べた。
サフナウアーはアルピーヌで18カ月間仕事をしたが、F1第13戦ベルギーGPで突如としてその経歴が終わりを迎えた。ベルギーGPの金曜日、アルピーヌから少なくともタイミング的には劇的な発表があった。サフナウアーの退任はそれを受けてのことだ。サフナウアーの突如の退任と時を同じくして、長年アルピーヌのスポーティングディレクターを務めてきたアラン・パーメインとチーフテクニカルディレクターのパット・フライもチームを離れた。
アルピーヌのトップマネジメントであり、ルノー・グループCEOでもあるルカ・デメオが着手した抜本的改革により、チームには変化の波が押し寄せているが、今回の決定はそうした一連の変化のなかでも最新の出来事だ。
サフナウアー、パーメイン、フライの3人はチームにとって知識や経験の大きな源となっていたが、その3人が離脱するということは、アルピーヌにF1経験の豊富な上級職が実質的にいなくなることを意味する。高潔な信念の持ち主であるサフナウアーは、退任するからといって自己憐憫に浸るつもりはさらさらない。しかしエンストンのファクトリーやサーキットのガレージなど、アルピーヌでともに時を過ごした仲間に対しては、深い感情を抱いていることが手に取るように分かった。
「チームのみんなの声を聞くと、この18カ月、チームが本当に私のことを受け入れてくれていたことが分かる」とサフナウアーは日曜日の夕方、スパでパドックに別れを告げる前に『Speedcafe』に語った。
「彼らには私流のリーダーシップを見てもらえたと思う。私のやり方、私がどのように彼らに接するか、どのように彼らをリスペクトするか、どのようにモチベーションを与えるか、そういったことだ。それは私にとって大切なことだ。誠実であることが、私の人生訓なのだ」
「だから、彼らを後に残していくのは悲しい。自分やその他の人たちには別に悲しみを感じないが、アルピーヌで働く善良な人たちを思うと悲しくならずにはいられない」
サフナウアーにはアルピーヌとの秘密保持契約があるので、コメントも控えめなものにならざるを得ない。しかしここに至るまでの経緯から、彼の話には彼の率直な考えが反映されていることは間違いない。サフナウアーはパーメインの身上にとりわけ心を動かされているようだ。エンストンで34年間を勤め上げたパーメインは、1989年に電子技術者としてベネトンに試験採用されたことでモータースポーツの道に入った。
「アランはピットレーンで最も優秀な人物のひとりだった。34年間同じチームにいた」とサフナウアーは、今は元同僚となったパーメインについて賛辞の言葉を贈った。
「彼と私はピットウォールでともに仕事をした。彼は極めて知識に富んでいて、私が彼に助言できたのは、ほんの時々、非常に限られた機会だけだった」
「だから私には周囲を見渡し、何が起きているかを把握する余裕ができ、足りない部分を手伝ったりしたが、アランは真のプロフェッショナルで、F1というものを心底よく知っていた」
いつでもレーサーの心を忘れないサフナウアーは、別れの言葉を述べるにあたってもアルピーヌのレース結果に言及せずにはいられなかった。スパでアルピーヌは堅実なレースをし、エステバン・オコンが8位に入り、ピエール・ガスリーはあと一歩でポイントが獲得できるところまでいった。
「毎レースごとに振り返る。自分たちがどのあたりにいるのか、誰に勝てる可能性があったか、どこをもう少し頑張れたかといったことをだ」
「エステバンは15番手(編注:オコンは予選15番手だが、他車のペナルティでスタートは14番手)から8位まで順位を上げ、(ランド・)ノリスに1秒差まで迫っていた。彼が言っていたとおり、もしあと1ラップあったら、ノリスを抜いていただろう。こういったことを振り返るのだ」
「彼ら(マクラーレン)のエンジンパワーは、我々のチームよりもここの1周あたり4分の3秒速い。4分の3秒ということはサーキットで30秒先行されることを意味する」
「彼(オコン)は別のスポットで予選を走ったので、こうしたことを私が検証する。ほかに誰に勝てそうだったかといったことだ」
「2レース前、シルバーストンではマクラーレンが他を圧倒しそうな雰囲気だったが、今では我々が1秒差まで迫り、あと1周あったら抜けそうだった。どうしてもそういうところを見てしまう。ここに至っても、条件反射になっている。それが私のやり方なのだ」
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