2位表彰台を失ったハミルトン「がっかりしているが、僕たちが進歩したという事実は変わらない」メルセデス/F1第19戦
2023年F1アメリカGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは2位でフィニッシュしたものの、レース後にマシンに技術規則違反があることが判明して失格となった。ジョージ・ラッセルは、7位でフィニッシュした後、ハミルトンとシャルル・ルクレール(フェラーリ)が失格になったために、5位に繰り上がった。
表彰式が終了した後に、フロアとプランクの摩耗についての検査において、ハミルトンのマシンが不合格になったことが発表された。F1技術規則第3.5.9 e)条に違反した可能性があるとして、スチュワードがチーム代表者の話を聞いた上で、判断を下した。同規則はプランクアセンブリの厚さを規定するもので、決勝後の測定で、ハミルトン車のリヤのスキッドの摩耗が、規定されている値を超えていた。
ハミルトンは3番グリッドから、スタート直後に4番手に落ちたものの、序盤の段階でフェラーリ2台の前に出て、6周目から、ランド・ノリス(マクラーレン)の後ろの2番手を走行。他の上位勢より1回目のピットストップを遅らせたことで、ハミルトンはノリスだけでなくマックス・フェルスタッペン(レッドブル)より後ろに落ちてしまった。しかし、最終スティントでミディアムタイヤを履き、ハードタイヤのノリスをパス。同じくハードタイヤで首位を走るフェルスタッペンとのギャップを縮めていったものの、2.225秒差の2位でフィニッシュした。
ラッセルは5番グリッドからスタートで8番手まで落ちた後、ハミルトンと同様に、2回のピットストップを遅めに行い、最後にミディアムを履く戦略を採った。しかし上位に浮上することはできず、7位フィニッシュにとどまった。
ハミルトンの失格で、ハミルトン自身は18点を失い、メルセデスは14点をロスした。ドライバーズ選手権においては、3位ハミルトンと2位セルジオ・ペレス(レッドブル)との差が大きく拡大する結果に。コンストラクターズ選手権で2位のメルセデスは、本来であれば3位フェラーリとの差を広げられたはずだったが、逆にギャップが縮まってしまった。
トト・ウォルフ代表は、規定違反を犯すことになった理由として、スプリントフォーマットの週末だったことで、フリープラクティスが1時間しかなく、バンピーなCOTAで、しかも新フロアを持ち込んでいたことにより、正しいセットアップを選択するのが難しかったと説明した。
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=失格(2位フィニッシュ 56周/56周)
3番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ミディアム
まず、(優勝した)マックスとレッドブルにおめでとうと言いたい。彼らは一年を通して、素晴らしい仕事をしている。圧倒的な強さを発揮しているし、ほとんど完璧だ。
今日はレース終盤、彼らに追いつきつつあったと思う。つかまえられればいいなと思っていたけれど、あと数周足りなかったね。
このアップグレードを持ち込むために皆が膨大な作業に取り組んだ。前戦のカタールでは(スタート直後にリタイアし)辛い思いをしていた。チームをがっかりさせてしまったと思ったので、自分をここまで戻すための深いプロセスを経る必要があった。「どう転ぶかではなく、どう立ち上がるかが肝心」という経験のひとつだ。だから、激しく戦おうというモードでここにやってきた。最高の気分だったし、自分のパフォーマンスにとても満足している。
ただ、全体的に見て、今日は最大限のパフォーマンスは発揮できなかったと思う。ペースが良く、マシンに素晴らしい感触を持っていた。でも、周囲のマシンはとても速かったので、バトルはとてもタフだった。それでも満足できる要素はたくさんある。今日は勝てる可能性があったと思う。実現しなかったが、前進し続けていることは確かなので、ポジティブに感じている。
もちろんレース後に失格になってしまったことにはがっかりしている。それでも、今週末、僕たちが進歩を果たしたという事実は何も変わらない。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=5位(56周/56周)
5番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ミディアム
今日は、スタートのまずさがレース全体に響いた。3つポジションを落とし、その後、ハードタイヤに換えた後、なぜだか分からないが、大幅にペースを落としてしまった。さらにリフト・アンド・コーストも行わなければならず、どんどん後退していった。でも、ミディアムタイヤを履くと、突然、コース上で最速のレベルまで速さが向上した。最終スティントでは、マックスとの差を10秒以上縮めたんだ。表彰台争いをするポテンシャルがあったと感じたので、それができなくて残念だった。
ポジティブな点は、マシンが改善したことだ。僕たちは今、2024年に100パーセント集中している。それでもこれから行くいくつかのサーキットは、僕たちとの相性がここより良いだろうことも分かっているから、どこまでやれるか楽しみだよ。
今回は僕にとってまとまりのない週末だったけれど、残り4戦が楽しみだし、大きなモチベーションを感じている。
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