リカルド「柔軟性のないF1ルール」に苛立ち。レース序盤の赤旗リスタート時に周回遅れ扱いに/F1第21戦
アルファタウリのダニエル・リカルドは、F1サンパウロGP(ブラジルGP)決勝で、不運にもアクシデントに巻き込まれてマシンに損傷を負ったことで、良い結果を出すチャンスを失った。さらに、ルールによって、レース序盤の赤旗後のリスタートで周回遅れの扱いになってしまったことに、リカルドは強い不満を示している。
決勝スタート直後に、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボン、ハースのケビン・マグヌッセン、ニコ・ヒュルケンベルグの間でクラッシュが起き、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)はマグヌッセンにヒットされてマシンが破損、リカルドのマシンのリヤウイングには、飛んできたタイヤが衝突した。
事故後、セーフティカーが出動し、全車がセーフティカーの後ろでピットレーンを通過する形で周回。リカルドとピアストリは、マシンの修理をするためにピットにとどまり、ガレージに入った。ところが、残りのマシンがコースに出た後、赤旗が提示され、レースが中断されることになった。リカルドとピアストリは、マシンを修復して再スタートに参加することができたが、セーフティカー先導下で周回しておらず、他から1周遅れの扱いになった。ふたりはピットレーンからスタートすることになり、レース再開時から不利な状況で戦わなければならず、リカルドはペースが良かったにもかかわらず、ポイント圏内に浮上することはできなかった。
レース後のチームへの無線で、リカルドは、ルールに対する憤りを示した。
「このルールがいかにくだらないか、大声で説明してもいいけど、みんなとっくに知っているよね」
「みんな、ごめんね。素晴らしい仕事をしてマシンを直してくれたのに。本当に悔しい。次はポイントを獲ろう。君たちに感謝している。これは皆にコントロールできない物事なのだと分かっている。僕が最低だってだけだ。FIAに感謝するよ」
その後、リカルドは、フラストレーションを感じた原因について、次のように説明した。
「たくさんのことが起きた。ルールに欠陥のようなものがあることが露呈したと思う」とリカルドが述べたと『Fox Sports』が報じた。
「レーシングラップが1周も行われていないのに、1周遅れでレースを始めることになった。オスカーと僕は今日、犠牲になったように感じる」
「たとえば、15台のマシンがダメージを負って、今日の僕たちみたいに、ピットに戻らなければならなかったとしたら、レースを再開する時、15台が1周遅れの扱いになるってことなのか? そうは思わないけどね。彼らはもう少し柔軟な考え方をすべきだよ」
リカルドは、この日のマシンが非常に速かっただけに、より一層悔しい思いをしている。
「目の前で大きなクラッシュが起きて、たくさんのデブリが散らばった。うまく切り抜けられたと思ったら、タイヤがまるでフリスビーのようにこっちに飛んできたんだ。ミラーでチェックしたら、タイヤが当たってリヤウイングが壊れていることが分かった」
「オスカーと僕は1周遅れの扱いで、さらにピットレーンからリスタートしなければならないと言われた。今日速さがあっただけに本当に悔しい。(角田)裕毅の後ろにとどまって、彼がポイントを獲得するためのサポートをした」
「前があいた状態だと、強力なペースを発揮することができた。1周遅れのリスタートにならなければ、ポイントを獲得して、チームに貢献できたはずだ」
リカルドは13位でフィニッシュ。チームメイトの角田は9位入賞を果たした。
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