雨絡みの波乱を14番手スタートのハータが制す。佐藤琢磨は今季ベスト7位:インディカー第5戦インディGP

 

 インディカー・シリーズ第5戦インディGPの決勝レースがインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで行なわれた。コンディションが刻々と変化する難しいレースを制したのは、14番手スタートのコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)だった。
 伝統のインディ500の“前哨戦”とも言えるインディGPは、なんとウエットコンディションに。直前のウォームアップ走行では各車水たまりに注意しながら走行していたが、レースが始まる頃には路面が乾きつつあり、ダンプコンディションの中でスタートが切られた。
 ポールシッターはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だったが、彼はスタートで順位を落としてしまい、パトリシオ・オワード、フェリックス・ローゼンクヴィストのアロー・マクラーレンSP勢が瞬く間にワンツーを形成した。
 13番手スタートの佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシングwithリック・ウェア・レーシング)と、同じく中団からのスタートとなったハータは、3周目に早くもピットインしてスリックタイヤ(レッドタイヤ)に交換。ハイペースで飛ばすハータを見てオワードら上位陣もピットに入ったが、先にピットインしてタイヤが温まっていたハータがオワードをコース上でパスし、一躍レースリーダーに躍り出た。
 その後はハータがアロー・マクラーレンSPの2台を従える展開に。早めのピットインで順位を上げていた佐藤は、パワーをオーバーテイクして4番手まで浮上した。
 85周のレースが折り返しに近付いた42周目、レースは4回目のコーションからリスタート。戦略の異なるマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、カイル・カークウッド(A.J.フォイト・エンタープライズ)の後ろにハータ、ローゼンクヴィスト、オワードが続いていたが、オワードはターン1でハータまで2台まとめて交わそうとしてスピン。そこに避けきれずローゼンクヴィストが接触してフロントウイングを破損、まさかの同士討ちとなった。直後を走っていた佐藤も割りを食ってしまい、コースアウトからスピンして大きく順位を落とした。
 絶妙な路面コンディションでのレースとあって、56周目には実に6度目となるコーションが出された。59周目にピットレーンがオープンとなると、上位陣が続々ピットに。雨脚が強くなりつつあったにも関わらず各車スリックタイヤをセレクトした。しかし、ハータら一部のドライバーは雨が強すぎると見て、コーションが解除される前に再度ピットインしてウエットタイヤに交換した。
 レースは残り14分のタイムレースに切り替えられてリスタートした。トップはスリックでステイアウトしたオワードで、そこにハータ、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、パワーらが続いたが、ウォータースクリーンでトップ集団以外が全く見えない程のコンディションではオワードも為す術もなく、ハータに首位を明け渡した後、同じくステイアウト組のロマン・グロージャン(アンドレッティ・オートスポート)、スコット・マクログリン(チーム・ペンスキー)らと共に大きく順位を落としてピットインした。
 レースは最後まで荒れ、コーションのままチェッカーとなったが、ハータが逃げ切り今季初優勝。22歳のハータにとっては、これがインディカー通算7勝目となった。2位はパジェノー、3位はパワーとなった。なお、ポイントリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、同2番手のマクログリンが揃って厳しいレースに終わったことにより、5戦連続4位以内でフィニッシュしているハータがポイントリーダーに浮上した。
 佐藤はスピンによって順位を落とすも、そこから追い上げ7位でフィニッシュ。今季ベストリザルトを持ち帰り、過去2勝のインディ500に臨む。
 
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