フェラーリF1、スペインの大型アップグレードで0.3秒以上の向上か。ウイング、フロアに加えサイドポッドも変更へ

 

 フェラーリはF1スペインGPで、シーズン初の大型アップグレードをF1-75に施す予定であり、その内容は、新しいリヤウイング、フロア、そして修正版のサイドポッドであると考えられている。

 5月13日にイタリア・モンツァサーキットで、フェラーリはフィルミングデー走行を行った。周囲の道路を封鎖して、マシンが見られないよう対策が取られたが、結局はファンが撮影した写真が出回ることになった。

フェラーリがモンツァでフィルミングデー走行 シャルル・ルクレール(フェラーリF1-75)
フェラーリがモンツァでフィルミングデー走行 シャルル・ルクレール(フェラーリF1-75)

 フィルミングデー走行で、シャルル・ルクレールは2種類のリヤウイングを使用した。ひとつはマイアミで使ったものであり、これはアゼルバイジャンおよびカナダでも使用する予定のローダウンフォース・サーキット用だ。もうひとつのウイングは完全に新しい、よりダウンフォースを生むデザインで、これがスペインとモナコで導入されるものとみられる。

 新しいリヤウイングは、メインプレーンに、より深い“スプーン”形状を取り入れ、エンドプレートを大きく変更したものである。そのデザインの目的は、より大きなダウンフォースをもたらすと同時に、ドラッグを最小限に抑えて、空力効率を改善することにある。

 スペインでは2台のフロアも変更される予定だ。新フロアは、オーストラリアGPのFP1でテストしたプロトタイプの進化版で、イモラでのピレリ・タイヤテストでも見られたものだ。

 さらにフェラーリには、従来型より幅の狭いサイドポッドを導入する計画もある。その狙いは、ドラッグを減らし、ストレートラインスピードを向上させることにあり、レッドブルとのコース上の戦いを有利に運べるようになることを、チームは期待している。フェラーリは現在、ドライバーズ、コンストラクターズ両選手権でトップを維持しているものの、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに2連敗を喫している。

 フェラーリは、車重を規則で定められた最低重量798kgに近づけるための重量削減にも取り組んでおり、いくつかのメカニカルパーツを素材が異なる軽量のものに変更、マシンの塗装の方法も変更している。

 フェラーリに近い情報筋によると、スペインで車重はマイアミより2kg以上減らせる見込みであるということで、これはタイムでは1周あたり約0.05秒に当たる。さらにフェラーリは、空力面の変更によって、1周0.3秒以上の向上を見込んでいるという。

2022年F1第5戦マイアミGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第5戦マイアミGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 スペインには、フェラーリの他にメルセデスやアストンマーティンも大型アップグレードを持ち込む予定だ。現時点でスペインGPの週末はドライコンディションになると予想されており、各チームはフリープラクティスを最大限に活用し、新パーツの評価に取り組むことができそうだ。

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