【F1第10戦無線レビュー(1)】フェルスタッペン「何かカーボンパーツを乗り越えた」ペースダウンで緊急ピットイン

 

 2022年F1第10戦イギリスGPの決勝レース。スタート直後に多重クラッシュが発生し、周冠宇のマシンがひっくり返った状態でグラベルまではじき出される事態となった。レースはすぐさま赤旗となり、再開後はドライバーズ選手権で首位に立つマックス・フェルスタッペンがトラブルに見舞われた。イギリスGPのレース前半を無線とともに振り返る

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 スタート直後、ポールシッターのカルロス・サインツ(フェラーリ)はソフトタイヤを履いたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にかわされて2番手に後退。しかし周冠宇(アルファロメオ)の大クラッシュで、レースは赤旗中断となった。この時点でのフェラーリ陣営は、再スタートでの順位がどうなっているのかわかっていなかったようだ。

周冠宇(アルファロメオ)
2022年F1第10戦イギリスGP スタート直後に接触、ひっくり返った状態でグラベルにはじき出された周冠宇(アルファロメオ)のマシン

サインツ:スタートやり直しだよね。ということは僕は2番手スタートなの?
リカルド・アダミ:問い合わせているところだ

 一方シャルル・ルクレール(フェラーリ)はターン3でルイス・ハミルトン(メルセデス)にかわされ、4番手に後退。その際のハミルトンの動きに、不満があるようだ。

ルクレール:ターン3の出口は、どうだったんだろう。彼らがちゃんと見てくれているといいんだけど

 そして角田裕毅(アルファタウリ)は多重クラッシュに巻き込まれていた。

角田:ダメージを受けたけど、自力でいける
マッティア・スピニ:フロントウイングだけか
角田:そう思う
スピニ:焦らずピットに戻ってこい
角田:ウイリアムズが突っ込んできたんだ

2022年F1第10戦イギリスGP スタート直後のアクシデントでフロントウイングにダメージを負った角田裕毅(アルファタウリ)
2022年F1第10戦イギリスGP スタート直後のアクシデントでフロントウイングにダメージを負った角田裕毅(アルファタウリ)

アルファロメオ:レースコントロールから連絡があった。周は大丈夫だ
バルテリ・ボッタス:ありがとう

 約1時間の赤旗中断を挟んで、3周目からレース再開。その直後、セルジオ・ペレス(レッドブル)がルクレールを抜いて3番手に上がる際に、両車は接触した。

ルクレール:クルマは大丈夫かな
パドロス:右フロントウイングの翼端板がない。5ポイント(のダウンフォースを)失った

ピーター・ボニントン(→ハミルトン):ルクレールは(1分)33秒5。フロントウイング翼端板にダメージを受けている

(9周目)アダミ:フェルスタッペンは1秒後ろ。DRSを使っている
サインツ:彼の方が、ちょっと速いね

 11周目、7、8番手を走っていたピエール・ガスリー(アルファタウリ)、角田が大きく後退。同士討ちだった。

スピニ:ユウキ、クルマはどう?
角田:クルマは大丈夫だけど、XXXX!!

 ターン11でインを突いて抜き返そうとしたところで、ガスリーにアウト側から被せられたと感じたようだ。しかし結果的に角田に非があったとして5秒ペナルティを課される。角田自身、レース後に「自分のミスだった」と謝罪した。

 その直後、フェルスタッペンのペースが極端に落ちた。

(12周目)フェルスタッペン:何かカーボンパーツを乗り越えた。チェックしてほしい。タイヤは素晴らしいとは言えないね。パンクチャーかもしれない

 緊急ピットインを行い、フェルスタッペンは6番手でコースに復帰。しかしペースは戻らない。アルファタウリのパーツを踏んだのが原因だった。

(14周目)フェルスタッペン:タイヤをチェックしてくれないか。そうじゃなかったら、車体だ。リヤで何かが壊れてる

(15周目)ランビアーゼ:ボディワークが壊れている。致命的なダメージじゃないので、走り続けることはできる。でもパフォーマンス低下は、避けられない

フェルスタッペン:どこでもタイム失ってるんだけど
ランビアーゼ:リヤのダウンフォースがなくなっている。今は何もできないが、構造的な問題じゃないから、次のピットストップでセッティング的に何ができるか見てみよう

 フェルスタッペンの苦戦を尻目に、3番手に上がったハミルトンはポーパシングもほとんどなく絶好調だ。

(16周目)ボニントン:ペースはいいぞ。すべてのチャンスはある
ボニントン:いいぞ。また最速ラップだ

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年F1第10戦イギリスGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ハミルトンの思わぬ速さに、フェラーリ陣営は明らかに浮き足立っていた。

 ルクレールはサインツから僅差で2番手。背後からハミルトンが、最速タイムを連発しながら迫っている。フロントウイングにダメージを受けているにもかかわらず、ペース的にはサインツよりルクレールの方がいい。

(17周目)ルクレール:どうしたらいい? レースがほとんど台無し状態なんだけど
パドロス:了解した。すぐに返事する

(18周目)パドロス:サインツは32秒9がターゲットタイムだ
ルクレール:だから何だよ! どうにかしてくれよ! 僕はもっと速いんだから!

(19周目)アダミ:ペースはいいぞ。そのままプッシュしろ

アダミ:もっとプッシュするんだ
サインツ:プッシュしてるよ

アダミ:もっとプッシュだ
サインツ:わかってるよ

 そんなやりとりのあと、20周目にサインツがピットイン。これでルクレールは首位に立ったが、彼自身も25周目にピットへ。ハミルトンが今季10戦目にして、初めて首位に立った。

(23周目)ハミルトン:タイヤは全然大丈夫だ
ボニントン:OKルイス、レッツゴー!

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(2)に続く

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