レッドブル&HRC密着:前戦に続いてアップデートを投入。さらに進化したRB18でトップ維持、ペレスは順位を8つ挽回
F1第11戦オーストリアGP金曜日の予選でポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペンが、その速さを土曜日のスプリントでも維持して、トップでチェッカーフラッグを受けた。
苦戦が予想されたレッドブルリンクで、フェルスタッペンが金曜日に続いて土曜日も制した理由は、レッドブルがホームレースとなるこのオーストリアGPでも車体をアップデートしてきたからだった。
レッドブルは先週のイギリスGPでもエンジンカバーとフロアを改良していたが、そのパフォーマンスが悪くないことを確認して、さらに改良したバージョンを投入してきた。
対照的にフェラーリとメルセデスは、このオーストリアGPでのアップデートを見送っている。その理由はいくつか考えられるが、ひとつはオーストリアGPがイギリスGPと2週間連続開催のために時間がなかったこと。もうひとつはオーストリアGPはスプリントが組み込まれているため、予選までにフリー走行が1回しかなく、その60分間で新しいパーツの評価とそれに合わせたセットアップを施すのは厳しいと考えたからではないだろうか。
それが大きく外れていないことは、フェラーリとメルセデスだけでなく、アルファタウリ、アストンマーティン、アルファロメオ、ハースの4チームもこのオーストリアGPにはアップデートしてこなかったことでもわかる。
そんななか、レッドブルはブレーキシステムにも改良を加えてきた。レッドブルリンクは標高が高いため空気が薄く、その分だけ冷却が厳しくなり、ブレーキへの負荷が大きいため、フロントブレーキディスクのヒートシールドにも変更を加えてきた。
つまり、レッドブルは1週間前のイギリスGPから、さらに進化していたのである。
その進化がいかに機能していたかは、セルジオ・ペレスが8つポジションを上げ、5番手まで挽回していたことが証明している。ペレスは金曜日の予選で4番手を獲得しながら、Q3進出を決めたアタックのターン8でのトラックリミット違反を問われ、Q2で記録したベストラップとQ3で記録した全ラップタイムが抹消されたために、13番手からスタートしていた。
そのペレスはスプリント後、こう言っていた。
「まだマシンのポテンシャルを引き出せていないので、日曜日のレースが楽しみだ」
日曜日の決勝レースでどんな進化を見せるか。アップデートしたRB18の威力に注目しよう。
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