今年のメルセデスは”型破り”! 試行錯誤がポールポジション獲得につながった?

 

 メルセデスは今季開幕から苦しい戦いが続いてきたが、サマーブレイク前最後の一戦であるハンガリーGPで、ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。チームにとって今季最高の予選となった。
 金曜日の段階では苦戦していたメルセデスが、なぜ予選で良くなったのか、チームは適切な説明ができないでいる。ただチーム代表のトト・ウルフは、週末のたびにテストを行ない、既成概念に捉われない考え方でセットアップしていることが重要だったと考えているようだ。
 ウルフはその顕著な例として、イギリスGPで風洞で評価されていない新しいフロアを搭載したことを例に挙げ、次のように語った。
「今シーズンは、型破りなことをやっている。エアロ部門のとても賢い女性と交わした会話を覚えている。彼女は『もし昨年、風洞で走らせていないフロアをクルマにつけると言われたら、絶対にやらないと言ったでしょう』と話していたんだ。しかし我々はそれを実行し、誰もがその結果を誇りに思っている」
「毎週末、同じことをしてきたし、ここでの金曜と土曜はよりそうだった。我々は色々なことを試してきたんだ」
 今季のメルセデスは開発の方向性を見定めるのに苦労しており、風洞のデータとコース上での実走行データが完全に一致しないことがしばしばある。
 そのため、レース週末はこの不一致を解決するため、大胆なアプローチをしているという。
「これはデータベースのスポーツだ」とウルフは言う。
「しかし風洞やCFD、シミュレーションなどのバーチャルな世界と、サーキットでリアルタイムに起こっていることとの相関がとれず、データに頼れない場合は、いろいろ試して相関を見出すしかないんだ。これが、私たちがここで行なったことであり、いくつかの良い結果をもたらしたのだ」
 ウルフは今のチームにとって、ハンガリーGPでどのような要素が功を奏したかを正確に理解することが重要だと語った。
「説明のしようがない。ショブ(アンドリュー・ショブリン/エンジニアリングディレクター)に言ったのは、今日の朝から食事も含めてやったことを全部書き出して、なぜこんなにうまくいっているのかをもう一度考えてみろ、ということだ」
「今季は落ち込んだり、元気になったりと大きく揺れ動き、時には日替わりで状況が変化している。ここでは(金曜日に)、全くうまくいかないことも試してみた。だが、そのおかげで少しは方向性が見えてきた」
「しかし率直に言って、今年は痛い教訓になっている。予選ですごく悪くても、日曜日にいいパフォーマンスを発揮するんだ。実際にクルマのポテンシャルを引き出しているんだ」
「レースペースに苦しんでいないことを証明できれば、堅実なポジションを得られるはずだ」
 
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