フェルスタッペンが称えたストラテジスト、ハンナ・シュミッツ「戦略面で刺激的なレースだった」10番手から優勝を達成
F1第13戦ハンガリーGPで、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは10番グリッドから優勝を勝ち取った。レース後、勝利をつかむ上で戦略が大きな役割を果たしたとクリスチャン・ホーナー代表は述べ、フェルスタッペンはプリンシパル・ストラテジー・エンジニアであるハンナ・シュミッツを称えた。シュミッツは、ハンガリーGP決勝はストラテジストにとって非常にエキサイティングなレースだったと語っている。
フェルスタッペンは予選でトラブルが発生したため、決勝を10番グリッドからスタートすることになった。チームメイトのセルジオ・ペレスは11番グリッドと、2台が中団からポジションを上げていかなければならない状況だった。
当初レッドブルはふたりをハードタイヤでスタートさせて、最初のスティントを長く取り、上位に浮上するプランを立てていた。しかしグリッドにつく前のラップでコンディションを見たところ、ハードタイヤで戦うのは難しいと判断したチームは、直前でソフトタイヤスタートに変更。それがフェルスタッペンの優勝とペレスの5位獲得につながった。
レース後、フェルスタッペンは、ストラテジストのシュミッツが急な戦略変更にも冷静に対応したとして、彼女を称賛した。
「常に正しい判断をするというのはとても難しいことだ。でも僕たちのチームには優秀な人たちが大勢いる。今日、ストラテジストのハンナはものすごく冷静だった。彼女はとても優秀だ」
レッドブルで13年を過ごす彼女は、何度となくレッドブルの優勝を支えてきた。戦略的な判断を下すうえで、チーム全体の共同作業が重要であると彼女は言う。
「私たちはチームなので、週末を通して、全員の異なる意見や見解に耳を傾けながら、協力的に作業を進めていきます」とシュミッツは『Sky Sports』に対して語った。
「数字やデータだけの問題ではありません。ドライバーはマシンに乗っていてさまざまなことを感じているので、それを考慮しますし、レースエンジニアは戦略担当者とは異なるデータを見ているので、それも考慮に入れます」
「全ての情報を受け入れて、すべてのことを議論します。最終的にはそれが戦略上の判断につながります。そうして最終的な決定を下すのです。チームとして取り組み、できるだけ多くの情報を活用して、そういった決定を下します」
シュミッツは、ハンガリーGPのレースは、戦略面で非常に楽しんで取り組めたレースだったと述べている。
「ストラテジストにとって本当にエキサイティングなレースでした。典型的な戦略であるアンダーカットを成功させるために、たくさんのことを行う機会を得ました。1回ストップのレースと比較するととてもエキサイティングでした」
「フェラーリはミディアムタイヤでスタートし、ミディアムを2本使っていたので、(最後に)ハードかソフトに換えるしかありませんでした。あの状況では彼らにとって判断を下すことはより難しかったかもしれません」
「幸い私たちはソフトでスタートしたので、その後はミディアムを2セット使うことができたのです。そしてミディアムはレースタイヤとして圧倒的に優れていました」
「冷静でいることは、ストラテジストにとって最も重要な資質のひとつだと思います」とシュミッツは言う。
「ある人から教えてもらったことなのですが、両手をひっくり返して、手のひらを下に向けると、自分の言っていることがより明確で堂々としたものになります」
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