元F1レースディレクターのマイケル・マシ、昨年のアブダビGP後に自身や家族への殺害予告を受けたと明かす
元F1レースディレクターのマイケル・マシは、昨年物議を醸した最終戦アブダビGP後の期間は、オンラインでの嫌がらせや殺害予告などに脅かされた“暗黒の日々”だったと述べている。
アブダビで行われた最終戦において、通常のセーフティカー規則を無視して独自の手順でレースを再開させるというマシの判断によって、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はレースリーダーだったルイス・ハミルトン(メルセデス)を追い抜き、自身初のタイトルを獲得した。
FIAはこの劇的な進行について調査を行った。F1のレースディレクターを解任されたマシは、最終的に今年7月にFIAを去ることになった。しかし昨年12月に起きた出来事の余波とその反動は、マシにとって個人的なレベルで耐え難いものだった。
「暗い日々があった」とマシは『The Daily Telegraph』の詳細にわたるインタビューで答えた。
「絶対に私はこの世で最も憎まれている男だと感じていた。殺害予告を受けたし、私と私の家族を狙うと言っている人々もいた」
「次の日かその次の日、ロンドンの通りを歩いていた時のことを今も覚えている。肩越しに後ろを振り返り始めるまでは、大丈夫だと思っていた。誰かにやられるのだろうかと思いながら人々を見ていた」
ネット上では、マシに向けられた憎悪が手に負えない状況になっていた。
「何百ものメッセージを突きつけられた。衝撃的な内容だった。人種差別、罵倒、卑劣な言葉、彼らはありとあらゆる名前で私を呼んだ。なかには殺害予告もあった」
「そうしたメッセージがひっきりなしに来た。私のFacebookだけでなく、ビジネス向けのプロ用プラットフォームのはずのLinkedInにまでだ。同じタイプの嫌がらせだった」
不快な嫌がらせの波を無視しようと努力したものの、こうしたメッセージにマシは精神的に参ってしまった。
「プロに相談しには行かなかった。今その利点について考えれば、そうするべきだったかもしれない」
マシの雇用者だったFIAは、彼が誹謗中傷を受けていることを認識していたが、彼はこのことを重要視していなかった。
「ほとんどひとりですべてを抱え込んでいた。何人かには話したが、そう多くはない。家族や友人に心配をかけたくなかった。彼らを不安にしたくなかった」
「FIAは知っていたが、私は彼らも含めて誰に対しても大したことではないと振る舞っていたと思う」
悪名高いアブダビの週末から半年以上が経過し、マシは人生をリセットしてより強い人間になった。
「すべての経験が、私をはるかに強い人間にしてくれた。私にはこれから先、いくつものエキサイティングな選択肢がある。国内外を問わず、さまざまなプロジェクトを検討しているところだ」
「私の意図していることは、オーストラリアを拠点とし、これまでの素晴らしい旅のなかで得たすべてのスキルを活用することだ。この旅には大きな誇りと感謝を抱いている」
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