フェルスタッペン、王者の貫禄見せつける11勝目。SCフィニッシュでルクレールは悔しい2位|F1第16戦イタリアGP
ヨーロッパ3連戦を締めくくるF1第16戦イタリアGPの決勝レースが行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝利をあげた。
2022年のF1が伝統と格式を持つ”スピードの殿堂”ことモンツァ・サーキットに戻ってきた。創立100周年を迎えたモンツァには、グランプリ初日から母国フェラーリの熱狂的なファン”ティフォシ”が詰めかけ、グランドスタンドを赤く染め上げていた。
土曜日に行なわれた予選では、その声援もあってかフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得。2番手タイムはフェルスタッペンだったものの、彼を始め9名のドライバーが規定数を超えたパワーユニットやギヤボックス交換によるグリッド降格を受けたことにより、予選順位から決勝グリッドは様変わり……ルクレールの横にはジョージ・ラッセル(メルセデス)、2列目にマクラーレン勢、3列目にはピエール・ガスリー(アルファタウリ)とフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、フェルスタッペンは7番手からのスタートとなった。
フェラーリのカルロス・サインツJr.とメルセデスのルイス・ハミルトン、アルファタウリの角田裕毅の3名はペナルティによりグリッド最後尾に回されることとなり、予選順位を基にサインツJr.が18番手、ハミルトンが19番手、角田が20番手に割り当てられた。
多くがスタートタイヤにミディアムタイヤを選択する中、フロントロウのふたりとフェルスタッペン、アレクサンダー・アルボンの代役参戦となった8番手ニック・デ・フリーズ(ウイリアムズ)らがソフトタイヤを履いた。
全53周の決勝レースは、大きなクラッシュもなくスタート。ルクレールとラッセルの順位に変動は無かったが、レース2周目に入るところまでにフェルスタッペンは3番手にまでジャンプアップしてみせた。
その後方では、4番手に昨年覇者のダニエル・リカルド(マクラーレン)、5番手にガスリーが続き、ランド・ノリス(マクラーレン)が3番手スタートから6番手にまで順位を落とし、1秒程度の差で後方のドライバーがDRSトレイン状態で連なった。
トップ3に目を戻すと、フェルスタッペンは早々に2番手ラッセルの1秒圏内に入ると、レース5周目のターン1で難なくオーバーテイク。フェルスタッペンがルクレールに対して徐々にギャップを縮めていた。
しかしレース11周目に、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)にマシントラブルが発生。パワーを失ったとして、ベッテルはコース脇にマシンを止めた。
翌周にバーチャル・セーフティカー(VSC)が提示され、これを機に首位ルクレールが先に動く。ソフトタイヤから新品のミディアムタイヤへ履き替え、VSC終了の合図と共に3番手でコースに戻った。首位に立つこととなったフェルスタッペンとの差は17秒だ。
ペナルティにより後方からのスタートとなっていたサインツJr.は、VSC明けでリカルドを交わし、4番手に順位を回復した。なお、同じく後方スタートのハミルトンはこの時点で13番手。最後尾スタートの角田も順位を上げハミルトンの後ろ14番手となっていた。
多くのドライバーが20周目あたりから続々と1回目のピットへ。多くがミディアムタイヤからハードタイヤと切り替える中、デ・フリーズはソフトタイヤからミディアムタイヤというタイヤ選択をしていた。
フェルスタッペンは結局25周目の終わりまで、1分25秒台後半を維持しながらソフトタイヤを引っ張り、ルクレールの9秒後方の2番手に復帰。ピットストップ後は1分24秒台を連発し、ひとり群を抜くレースペースでルクレールとのギャップを縮めていった。
フェラーリは、ルクレールとフェルスタッペンの差が5秒を切ったところで、ルクレールを2回目のピットへ呼び込む。これでルクレールは2番手に下がり、残り20周でフェルスタッペンと開いた20秒近い差を埋めにかかることとなった。
ルクレールはファステストペースで周回を重ねるものの、フェルスタッペンもペースアップ。ギャップが劇的に縮まることはなかった。
35周目までステイアウトしていたノリスとバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がピットに入ったことで、全車がピット義務を消化。この時点では、フェルスタッペン、ルクレール、ラッセル、サインツJr.、ペレス、ハミルトン、リカルド、ノリス、ガスリー、デ・フリーズというトップ10だった。
後方では入賞争いが激化。8番手リカルドから12番手オコンまでが一集団となり、角田を抜いたミック・シューマッハー(ハース)がそこから少し遅れて13番手を走っていた。
そんな中、レース47周目にレズモでリカルドがトラブルによりマシンストップ。セクター2にイエローフラッグが振られ、その後セーフティカーに切り替わった。
これを見たラッセルとサインツJr.がすぐさまピットイン。首位フェルスタッペンは大きなギャップを持っていたことから翌周にピットへ飛び込み、ルクレールもそれに続いた。
これにより、フェルスタッペンが首位、2番手ルクレール以下、ラッセル、サインツJr.、ステイアウトを選んだハミルトンというトップ5に。ただリカルドのマシン回収に時間を要し、周回遅れをアンラップさせる時間が無くなったことで、セーフティカーのまま最終ラップへ突入した。
最後の”スプリントレース”とはならなかったものの、これによりフェルスタッペンがトップチェッカー。今季11勝目を5連勝という形で挙げた。
2位はルクレール。タイトル争いを続けるためには優勝が至上命題だったが、ポールスタートながらも勝利を逃すこととなった。それにより、首位フェルスタッペンからのポイント差は116点へと拡大した。
3位表彰台にはラッセル。4〜5位には最後尾から追い上げたサインツJr.とハミルトン。こちらもグリッド降格ペナルティがあったペレスが6位に入った。
7位にノリス、8位にガスリー、F1デビューレースだったデ・フリーズは9位で2ポイントを掴んだ。10位には周冠宇(アルファロメオ)が入った。
角田は最終的に14位フィニッシュ。1セット目のミディアムタイヤでは順位を上げたものの、2セット目のハードタイヤではレースペースに苦しんでいた。
F1はヨーロッパ3連戦を終え、フライアウェイ戦が始まる。2週間後にシンガポールGP、3週間後にはいよいよ日本GPがやってくる。
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