コルトン・ハータ、特例でのF1デビューは望まず「最終的にF1に挑戦できなかったとしても、それはそれで構わない」
来季アルファタウリのドライバーとしてF1デビューの可能性が取り沙汰されていたコルトン・ハータは、F1参戦に必要なスーパーライセンス取得に必要なスーパーライセンスポイントを獲得することができておらず、実際にF1デビューするのは難しい情勢だ。
ハータはこの状況について、特例でF1にデビューすることは望んでいないと語った。しかしその一方でハータは、インディカーで獲得できるスーパーライセンスポイントが少なすぎるのではないかと疑問を呈した。
ハータはインディカー・シリーズでこれまで通算7勝。2020年にはランキング3位、2021年にはランキング5位に終わり、今季はランキング10位となった。ただハータは現時点で、スーパーライセンスポイントを32しか持っておらず、スーパーライセンスの取得に必要な40には到達できていない。そのため、もし来季F1デビューするならば、特例でのスーパーラインセンス発給を求めるしかなかった。
しかしFIAは、特例でスーパーライセンスを発給するのには消極的であり、ハータが来季F1にデビューするのは事実上不可能であると考えられている。
「FIAの立場は理解できるよ」
ハータはmotorsport.comの取材にそう答えた。
「でも僕はただ、スーパーライセンスのシステムにおいて、インディカーは過小評価されているように感じる」
「しかし彼らの観点、そして現在のシステムを僕は理解している。僕は例外としてF1にデビューしたいとは思わない」
このオフシーズンにアジア地域等の選手権に出場し、好成績を残すことができれば、スーパーライセンスポイント40を満たすこともできる。これについて検討したかと尋ねられたハータは、次のように語った。
「そういうことも可能だったと思う。でも4年間トップクラスでドライバーをしてきたんだから、下位カテゴリーのシリーズに出るべきではないと感じている。だから、それは考慮しなかったよ」
「ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)は僕をFP1で走らせることに興味があると言った。でも僕がアルファタウリと契約しているなら、彼は僕をマクラーレンに乗せたいとは思わないだろう」
「ザクが僕のためにしてくれた全ての努力に感謝している。それは素晴らしいことだった。ニュースではいろいろなことが報じられたけど、彼はずっと、僕に対してはクリアだった。彼と共に仕事をするのは、素晴らしいことだよ」
来季のF1デビューは厳しい状況にあるハータだが、F1への夢はまだ終わっていないと考えているようだ。現在の所属チームであるアンドレッティ・オートスポートはF1参入を目指しており、もしそれが実現すれば、自身も共にF1デビューできる可能性があると期待しているという。
「マイケル(アンドレッティ/アンドレッティ・オートスポートのオーナー)は、僕をF1にデビューさせる準備ができていると思う。そして、そのオファーは長く続くだろう」
そう現在22歳のハータは語った。
「僕が26歳になるまで、彼がF1マシンに乗せたくないというのなら、それは理解することができる」
「(ニック)デ・フリーズの件には、有望な兆しがあると思う。彼は今27歳で、来季の開幕までには28歳になるはずだ。でも彼がモンツァで行なったことをきっかけに、いずれかのチームのシートを獲得することについての話し合いが急増したようだ」
「チャンスがあれば、それを最大限に活用する必要があることを、彼は示したと思う。彼はそれを実行したんだ。実にフェアプレーだよ」
「今後数年で、アンドレッティがF1チームを買収するチャンスがあるかもしれない」
「どこかのオーナーが、F1チームを売却することを検討しているかもしれない。別のメーカーがF1に参入し、チームオーナーがチームを売却する可能性が浮上した場合、とても異なる見方も出てくるかもしれない」
「でも僕の将来については、最終的にはFIAの決定次第だ。彼らはひとりのドライバーを受け入れるために、全てのチームオーナーや自動車メーカーを怒らせたくはないんだ」
ハータは、F1への挑戦が叶わなかったとしても、それはそれで構わないと語った。
「自分のキャリアをインディカーだけで過ごしたことに、失望することは決してないだろう」
そうハータは語った。
「でも、僕はレースキャリアの中でやりたいことがたくさんある。インディカーがその全てというわけでもないんだ」
「耐久レースも楽しんでいる。いつかはル・マン24時間にも挑戦してみたい。デイトナ500や、NASCARのロードコースでのレースもやってみたい。色々なレースカーをドライブするのは素晴らしいことだと思う」
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