ルクレールがPP獲得! フェルスタッペンは突然のピット指示で不完全燃焼……角田裕毅10番手|F1シンガポールGP

 

 闇夜に浮かび上がったマリーナベイ市街地サーキットを舞台に開催されているF1第17戦シンガポールGP。土曜日の予選セッションでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得した。
 赤道直下ということもあり、レース週末前から天候が心配されていた今年のシンガポールGP。グランプリ2日目は大雨がサーキットを襲い、予選前に行なわれたフリー走行3回目は走行時間が実質30分に短縮された。
 予選の時刻を迎えても、ところどころ濡れた箇所が残るという路面コンディション。そのため、Q1開始と共に各車はインターミディエイトタイヤを履いてコースに出ていった。
 難しい路面コンディションに加えて、赤旗や黄旗のリスクが大きい市街地サーキットというコース特性もあり、序盤から各車はコース上でタイム計測を続けた。
 序盤からトップに立ったルクレールは周回を重ねたタイヤで1分54秒129と自身のタイムを更新していたが、2セット目のインターミディエイトタイヤを投入していたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はそこから1秒速い1分53秒057でQ1最速。トップ6をレッドブルとフェラーリ、メルセデスの3チームが独占し、その後ろにはケビン・マグヌッセン(ハース)が7番手、角田裕毅(アルファタウリ)が8番手で並んだ。
 ここで惜しくもノックアウトとなったのは、チームメイトと明暗分かれたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、エステバン・オコン(アルピーヌ)と、ウイリアムズの2名だった。
 Q2開始時点でも、各車はインターミディエイトタイヤでコースイン。10台が1回目のタイム計測を終えた段階で、1分52秒52秒343のルクレールが再びタイムシートのトップに立ち、レッドブル勢がそれに続くという構図となった。フェラーリのカルロス・サインツJr.は1回目のタイム計測では下位に沈んだが、2回目の計測で4番手に順位を上げた。
 多くのドライバーが2セット目にもインターミディエイトタイヤを選択する中、今週好調のアストンマーチン勢が真っ先にスリックタイヤへ交換……一気にタイムアップすべく攻めに転じた。これを見て周冠宇(アルファロメオ)もソフトタイヤへ切り替えた。
 決勝レースではオーバーテイクが難しいと予想されており、予選順位が重要視されているシンガポールGP。Q3へ何としてでも進もうという意図での積極的なタイヤ戦略だったが、3台共にグリップを得られずQ2敗退となった。
 多くがインターミディエイトでタイムを上げた中、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は10番手のマグヌッセンに対して0.006秒届かず、Q2ノックアウト。ラッセルはフリー走行1回目からブレーキングに苦しんでおり、ここまで厳しい週末が続いていた。
 アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが7番手、角田が8番手で、アゼルバイジャンGP以来となる2台でのQ3進出を決めた。
 迎えたQ3、路面コンディションはついに分水嶺を迎え、フェルスタッペンがソフトタイヤを投入。大半のドライバーがそれに続いたが、角田とマグヌッセンのふたりは中古のインターミディエイトを選択した。
 Q3序盤、まだ完全に乾ききっていない路面で角田は1分55秒170をマークし、ルクレールやフェルスタッペンを退け一時トップに立ったが、急速な路面コンディションの改善もあり、以降はソフトタイヤが威力を発揮。ハミルトンはそこから2秒も速い1分53秒をマークしトップに立つと、その他のソフトタイヤ勢も軒並みタイムを更新していった。
 ハミルトンは更に1分51秒019とトップタイムを更新し、フェルスタッペンは大きなスナップがありながらも0.376秒差の2番手に並んだ。
 各車はコース上でのタイム計測を続け、最終計測でルクレールが1分49秒412でトップに立ち、ペレスが2番手、ハミルトンが3番手に続いた。
 フェルスタッペンは、アタックを中断してチェッカーギリギリのタイミングで最終計測に入ると、セクター2までルクレールを大きく上回るタイムを刻んでいたものの、チームはピットインを指示。ポールポジションが狙えていただけにフェルスタッペンは怒り心頭……原因は燃料不足か、チームはその場で明確な答えを示すことはなかった。
 これによりルクレールのキャリア18回目のポールポジションが確定し、フロントロウにはペレスが並ぶこととなった。
 3番手にはハミルトン、サインツJr.は4番手。結局フェルスタッペンは、アロンソやランド・ノリス(マクラーレン)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)の後塵を拝する8番手となった。
 マグヌッセンが9番手、角田が10番手という予選トップ10となっている。
 
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