サインツJr.、マシンに合わせてドライビングスタイルを「完全に変えた」と明かす。2023年に飛躍なるか?

 

 2021年にフェラーリに加わったカルロス・サインツJr.は、新しい環境に問題なく順応。2022年はさらなる飛躍を目指していた。
 しかしチームメイトのシャルル・ルクレールほどうまく今季マシン『F1-75』に馴染めず、シーズン序盤から後手に回ってしまった。
 ルクレールとのコンマ数秒差を詰めるべく、サインツJr.はフェラーリのエンジニアとともに、よりマシンを乗りこなすための解決策を追い求めることになった。
 Motorsport.comの独占インタビューに応じたサインツJr.は、シーズン序盤に直面した状況は、これまでのキャリアで経験したことのないものであり、耐えるのが大変だったと語った。
「チームとの最初の1年間は好調で、クルマにほとんど問題が見つからなかったのに、フラストレーションが溜まったよ」
「2021年の最初の数レースで、マシンの限界がどこにあるのかがわかったような気がしたんだ。特定のタイプのコーナーでコンマ1、2秒を見つけるだけで、戦えるようになったんだ。だから、シーズン後半はとても好調で、波に乗ることができた」
「今年はようやく競争力のあるクルマになった。ようやく優勝争いができるクルマになったのに、突然コンマ2秒以上の差をつけられるという、今までにないポジションに自分がいることに気がついたんだ」
「チームメイトからコンマ2秒以上離されたことはなく、このラップタイムはどこから来ているのだろうと頭を抱えた。優勝争いができるような競争力のあるマシンを手に入れたのは初めてだったから、悔しかったよ」
 サインツJr.は第10戦イギリスGPで自身初のポールポジション獲得と初勝利を果たしたが、その前の第9戦カナダGPの際、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と僅差の優勝争いを展開。「恐れず全力でプッシュ出来るようになった」とコメントしていた。
 一方でなぜマシンに自信が持てるようになったのか、説明に消極的だったサインツJr.だが、今回のインタビューでドライビングスタイルを大きく変える必要があったと明かした。
「僕は、自分の苦悩がどこから来ているのか、かなり秘密にしていたんだ」
「このスポーツを理解している人たちや、綿密な分析をする人たちは、もう多かれ少なかれ僕のことを知っていると思うし、問題がどこにあったのか知っている。でも、簡単に言うと、ドライビングスタイルを完全に変えなければならなかったんだ」
「僕は非常に不自然な方法で、完全にドライビングスタイルを変えなければならなかった。それが自然になるまでには長い時間がかかったんだ」
「セットアップについても色々と試したけど、そのほとんどが間違った方向に行ってしまい、また元に戻って良い方向を探すという繰り返しだった。それにはレースが必要だった。テストはもうできないから、レースウイークエンドにテストする必要があるんだ」
「つまりレースウイークエンドに、基本的に間違ったセットアップで臨まなければならないこともあるんだ。そんなフラストレーションの積み重ねを経て、カナダで自分の道を見つけることができたんだ。それ以来、少しずつパフォーマンスが上がってきているんだ」
 サインツJr.は技術的な秘密は明かさなかったものの、ルクレールのほうが自分よりも特定のコーナーでスピードが速かったと語った。
「ある種のコーナースピードとある種のドライビングスタイルで、僕はこのクルマとうまくいかなかったんだ」
「レーシングドライバーのキャリアでは時々起こることだ。2021年の僕のように、何もしないでクルマに乗り込み、ただ走るだけですぐに速さを発揮できることもある」
「別のクルマに飛び乗って、良いラップタイムを刻んだと思ったら、他の人と比べてそれほど速くないということもあるんだ」
「それは当たり前のことなんだ。でも、僕のキャリアの中で、競争力のあるクルマに乗っている時に、そうなったことが悔しいんだ」
 サインツJr.は自分に合わせてセットアップを変更するのではなく、ドライバーが適応する必要があるのは、2022年のレギュレーションにおける技術的制約が大きくなったからだと話した。
「チームは僕の話に耳を傾けてくれたし、僕の苦悩がどこにあるのかを知っていた」
「でも予算制限の時代で、今のようなシンプルなレギュレーションでシンプルなクルマだと、セットアップの自由度はほとんどないんだ」
「僕にとって予選もレースも最低だったバルセロナ以降、ドライビング全体を変えて多少なりとも自信を持てるようなマシンを探そうとしていたんだ」
 サインツJr.は2023年の飛躍に向けて、良い土台を築いたと考えているものの、それでもまだマシンに完全に馴染めていないと明かしている。
「些細なことで急に自信が湧いてくることもあるし、このクルマでも速く走れると感じられるようになるんだ」
「シーズンの初めにはいつも疑問を持っている。このクルマで昨年のような自信を持てるのか、このクルマを自分の思うように走らせることができるのか。そんな疑問が湧いてくるんだ」
「セットアップの方向性やドライビングで、何度も失敗したけれど、そういう小さな積み重ねによって、自分がやらなくてはいけなかったハードワークを信じられるようになるんだ」
「走らせ方という点では正直なところ、まだ好きなクルマではないんだ。まだ完全に自然なドライビングができているわけでもない。でも少なくとも、すべてをまとめれば僕はやれるということが分かっているんだ」
 
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