フェラーリF1代表ビノットの更迭が決定か。後任はアルファロメオのバスールが濃厚も、チームは否定の声明
スクーデリア・フェラーリのチーム代表マッティア・ビノットが、2022年いっぱいでそのポジションから降ろされる見通しであることが、フェラーリの関係者の話で分かった。後任として、現在アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが起用されるものと考えられる。フェラーリはこれに関する報道を受け、「全く根拠のないうわさ」であると否定した。
しかし関係者の話によると、フェラーリ本社はすでにビノットに対して代表の座から外すことを伝えたという。ビノットはこの3戦、サーキットの現場に来ていなかったが、最終戦アブダビには現れて、チーム代表として最後の仕事を務めるものとみられている。
ビノットは2019年にマウリツィオ・アリバベーネに代わって代表に就任、新レギュレーションが導入された今年、彼のリーダーシップのもとで、フェラーリは優れたマシンを作り、タイトル争いに復帰することに成功した。しかしシーズン中盤、戦略ミスやピットでの失敗などが起こり始め、最終的にシャルル・ルクレールとフェラーリは、マックス・フェルスタッペンとレッドブルに、選手権において大差で敗れることになった。
そのなかでルクレールとビノットの関係は悪化していった。イギリスGPでタイヤ戦略の誤りから勝利を失ったルクレールは憤り、その彼に対して、ビノットはきつい言葉で応酬した。関係者によると、それ以来、ふたりはあまり会話をしなくなったという。レース終了後のフェラーリの記者会見は、2021年以来、チーム代表とドライバーたちが出席していたが、チーム代表のみがメディアの質問に答える形に変更された。
フェラーリ会長ジョン・エルカーンとCEOベネデット・ビーニャは、ビノットが下したいくつかの判断に不満を募らせていった。また、ビノットの存在によってルクレールがライバルチームへの移籍を検討する可能性があると考えた彼らは、ビノットを代表の座に残すよりも、ルクレールを長期的に確保することを選んだ。
ビノットの更迭に伴い、新チーム代表が今年中に発表されることになるだろう。これまでいくつかの選択肢が検討されてきた。まず現在レーシングディレクターを務めるローレン・メキースを昇格させること。しかし、エルカーンとビーニャがチーム代表に求める冷酷なリーダーシップがメキースには欠けているとみなされたようだ。マクラーレンのアンドレアス・ザイドルを引き抜くという話もあったといわれる。
しかし最大の候補は、アルファロメオの代表バスールである。彼は、ルクレールが2018年にF1デビューした年に、ザウバーで彼の面倒を見てきた。フェラーリ会長を務めた故セルジオ・マルキオンネが、生前、アリバベーネの後任として最も望んでいたのは、バスールだった。
ビノットが解任され、バスールが新代表に就任すると、イタリアの『La Gazzetta dello Sport』が報じたことを受け、フェラーリは11月15日、これを否定する声明を発表した。
「スクーデリア・フェラーリのチーム代表マッティア・ビノットのポジションに関する一部メディアにおける憶測について、フェラーリは、これらのうわさが全く根拠のないものであると表明する」
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