レッドブルF1、フェルスタッペンの指示無視について声明「チームがミスを犯した。マックスの説明を受け入れる」
レッドブル・レーシングは、F1ブラジルGP決勝終盤にマックス・フェルスタッペンがチームの指示に従わず、ランキング2位争いをしているチームメイト、セルジオ・ペレスにポジションを返さなかった件について、声明を発表した。レッドブルは、レースの前にフェルスタッペンに対して順位入れ替えについて相談していなかったチームのミスであると説明、フェルスタッペンが指示に従わなかった理由にも納得したという。また、この一件でチームメンバーに対してインターネット上で嫌がらせのコメントが殺到していることについて、チームは強く非難した。
ブラジルGP決勝終盤、ミディアムタイヤを履いたペレスは、ソフト勢のなかで苦しい戦いを強いられ、3番手からポジションを落とし続け、71周のレースの65周目には後ろから追い上げてきているフェルスタッペンの前の6番手まで落ちた。チームは、ペレスに対して、フェルスタッペンを前に出してルクレールを追いかけさせるが、フェルスタッペンが順位を上げられなかった場合はペレスの後ろに戻すと説明した。67周目にフェルスタッペンがペレスの前に出たが、結局最後まで5番手フェルナンド・アロンソ、4番手ルクレールのどちらもとらえることができなかった。
最終ラップに入って、チームはフェルスタッペンに対し、ペレスにポジションを返すよう何度も命令。しかしフェルスタッペンはそのままの位置でフィニッシュし、「前に言ったはずだ。こういうことを僕に二度と頼むな。僕には理由がある。気持ちは変わらない」と言った。ペレスは「彼が本当はどういう人間か分かったよね」と憤り、クリスチャン・ホーナー代表は無線でペレスに謝罪した。
レース直後にホーナー代表は、すぐにチーム内で話し合いを行い、問題は解決したと述べていた。そしてアブダビGP直前の木曜に、チームは新たな声明を発表した。
「ブラジルで我々チームはいくつかミスを犯した。最終ラップで展開された状況を想定しておらず、レース前の段階で、そういうシナリオに対する戦略において合意していなかった」と声明には記されている。
「残念なことに、マックスに必要なすべての情報が伝わらないまま、最終コーナーで、ポジションを譲るようにとの要求が伝えられた。マックスは常にオープンでフェアなチームプレイヤーだ。しかしこの状況によりマックスには反応する時間がほとんどなく、不本意な状況に追い込まれた。これは我々の意図したところではない」
「レース後、マックスは率直かつ誠実に話をし、ふたりのドライバーは問題や懸念を解決することができた」
「チームは、マックスの根拠を受け入れる。この会話は個人的な問題であり、今後もチーム以外には非公開とし、これ以上のコメントは行わない」
フェルスタッペンは、自分が順位を返さなかった理由について、「過去に起きたことに関係がある」と述べているものの、具体的なことは明かしていない。
今回の問題の後、ソーシャルメディア上で嫌がらせのコメントが多数投稿され、チームメンバーやその家族が標的になったとして、レッドブルはこれを強く非難した。
「その後のソーシャルメディア上の出来事は全く容認できるものではない。マックス、チェコ、チーム、それぞれの家族に対するネット上の罵詈雑言は、衝撃的かつ悲しいものだ。残念ながらこのことはスポーツ全体として定期的に取り組まなければならない問題である。レースや社会全体においてこのようなことが受け入れられるような場所はない。我々は改善に取り組んでいく必要がある」
「結局のところ、これはスポーツであり、我々はレースをするためにここにいる。殺害の脅迫、ヘイトメール、罵詈雑言が、家族にまで向けられるのは嘆かわしいことだ。我々は多様性を重視し、誰もが安全に働き、スポーツを楽しめる場所を望んでいる。嫌がらせはやめなければならない」
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