レッドブルF1代表、大成功の一年に直面したライバルとの軋轢について語る「勝ち続けると嫌われる」

 

 レッドブル・レーシングは、2022年F1の22戦中17戦で勝利し、そのキャリアのなかで最も成功したシーズンを過ごした。一方で、いくつかネガティブな問題も浮上し、ライバルたちからの批判を受け、ファンの間に論争を巻き起こした。

 まず、2021年の財務レギュレーションへの違反があり、バジェットキャップの上限よりも多くの予算を使っていたことが明らかになった。これは、昨年のタイトル決定戦アブダビGPでレースディレクターが規則に反した行動を取ったことと共に、マックス・フェルスタッペンの2021年ドライバーズタイトル獲得という成功に影を落とす問題となった。

 次に、2022年のタイトルを確定させた後にもかかわらず、フェルスタッペンがブラジルGPでチームオーダーを無視し、ランキング2位を目指していたセルジオ・ペレスへの協力を拒むという一件もあった。

 チーム代表クリスチャン・ホーナーは、チームにとって輝かしいシーズンを過ごしながらも、終盤の数週間はフェルスタッペン、チーム、自分自身を外部からの攻撃から守るために奔走しなければならなかった。シーズンを振り返り、ホーナーは、ダブルタイトル獲得という素晴らしい成果を挙げた年だが、それでも学習すべきことはあり、それを今後の改善に役立てると示唆した。

「人生において、特にこのスポーツにおいては、人は常に学び続けている」とホーナーは語った。

「負けた日に学び、勝った日にも学び、このスポーツで起こるすべてのことから学んでいる。それは関係者全員に当てはまることだ。すべてのことを知っていると考える日があるなら、そこから後退が始まる。もちろん我々は今年から学ぶべきことはたくさんある。非常に多くのポジティブな要素があり、チームにとって、ドライバーにとって、パートナーにとって、驚異的な一年だった。不幸にも創設者(ディートリッヒ・マテシッツ)を失った年でもあった。その年にF1キャリアのなかで最も成功した一年を過ごしたことは、彼に対する証明であり、彼に捧げるべき成果だった」

 バジェットキャップの件でライバルチームから激しく非難されたことについて、ホーナーは、タイトル争いに敗れたフェラーリとメルセデスへの揶揄も込めて、成功した者は不人気になると述べた。

2022年F1メキシコGP バジェットキャップ違反について記者会見を開いたレッドブル・レーシング代表クリスチャン・ホーナー
2022年F1メキシコGP バジェットキャップ違反について記者会見を開いたレッドブル・レーシング代表クリスチャン・ホーナー

「人は常に学習している。しかし他の誰かが問題視するようなことが時に起こる。高く上るほどに、ナイフは鋭くなるのだ。そういうことを今年多少経験した。パドックで嫌われるための一番簡単な方法は、コンスタントに勝ち続けることだ。エナジードリンクの子会社である我々が、OEMや歴史的なブランドを相手に戦っている。一部のライバルにとってはそれは愉快なことではない」

「毎戦、何かしら学ぶことがある。このビジネスでは、静かな生活を決して期待してはならないということを学ぶ。トップに立っているときにはなおさらだ。勝っていることで満足することなく、すべての結果、すべての勝利、すべての瞬間を楽しむべきだと思う。苦労してつかんだものであり、大きな意味を持つ。決して過小評価してはならないことなのだ」

「バジェットキャップに関しても、ドライバーたちに関しても、常に学ぶべきことはある」

「コース上以外のところで我々は今年、攻撃の対象になっていた。我々はレーシングチームであり、政治団体ではない。レースに専念するだけだ。ハードに戦い、限界を押し広げる。レースチームが成功するためにやるべきことはそういうことだ。我々は常にそういうアプローチを採ってきた。それがうまく機能し、競争を楽しんでいる。今年はタフだと感じた時も何度かあった。だが残念なことだがそれがフォーミュラワンなのだ」

オラクル・レッドブル・レーシング
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