トト・ウォルフ、メルセデスのフォーミュラE撤退理由について“投資利益率の小ささ”を挙げる。F1へのリソース投入に集中
メルセデスのモータースポーツを統括するトト・ウォルフは、メルセデスのフォーミュラE撤退の理由について、テレビ視聴数の少なさに続き、投資利益率の低さを挙げた。
メルセデスはフォーミュラEに3シーズン参戦し、この2年は連続してニック・デ・フリースとストフェル・バンドーンとともにタイトルを獲得した。
ABB FIAフォーミュラE選手権のシーズン8(2021/22年)の累積視聴者数は、前シーズンの記録破りのレベルをさらに超えて伸び、総視聴時間は前年比58%の増加を見せた。しかし投資利益率については、特に絶大な人気を集めて続けているF1と比較すると、メルセデスが関与を続ける根拠となるには不十分だった。
ウォルフは、メルセデスが2018年シーズン末でワークス参戦から撤退したDTMドイツ・ツーリングカー選手権についても同じ理由が当てはまると語った。
「F1は非常に大きくなっているので、他のものすべてが小さく見えるのだと思う」とウォルフはポーランドのウェブサイト『SwiatWyscigow.pl』に語った。
「我々は30年以上にわたり、DTMで成功を収めたことに満足していた。しかしワークスチームの観点から考えると、競争力を持ちたいのなら4000万から5000万ユーロ(約55億円から69億円)が必要だが、その投資利益率は小さすぎた」
フォーミュラEは熱狂的なファン層を世界中に構築し、レースごとに視聴されるプレミアムライブスポーツとしての地位を確立していると主張している。しかしウォルフは、メルセデスの投資と観客数を調和させることはできないと述べている。
「フォーミュラEも同じことだ。観客数は十分ではなかった。つまりDTMがあり、フォーミュラEがあるが、F1は全体的に広がっている」
「そうしたことから、他のことのために注意をそらして希薄化するのではなく、適切なことを行ってF1へのリソース投入に集中すると決めた」
メルセデスはフォーミュラEから撤退したが、チームはマクラーレンが買収し、2023年の選手権にはレネ・ラストとジェイク・ヒューズを起用して2台で参戦する。チーム自体は、経験豊富な元メルセデスEQチームプリンシパルのイアン・ジェームスが引き続き指揮を取ることになる。
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