レッドブルが圧勝したF1開幕戦バーレーンGP。レースこそロングランペースに優れるレッドブルがその差を広げたものの、予選Q1ではトップから最後尾までわずか1.2秒差だった。2022年と比べ、下位チームも大幅に進歩していることは明らかだ。
　レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、レッドブルやフェラーリの昨年マシンからデザイン上のヒントを得たチームが多く、競争力が高まっていることがその理由だと考えている。
　特にアストンマーチンは、昨シーズン中盤にレッドブルに酷似したパッケージを導入。今季はそのコンセプトを進化させ、中団チームから抜け出してレッドブルに次ぐパフォーマンスを見せた。
　レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーのヘルムート・マルコは「表彰台で”3台”のレッドブルを見ることができてよかった」と、冗談交じりにコメントしているほどだ。
　フェルスタッペンは、2023年の勢力図について次のように語った。
「（接戦になっていても）全く驚きじゃないよ」
「ほとんどのクルマは、みんなお互いにコピーしあっているから、同じレギュレーションで何年もかけて賢くなっていくんだ」
「特に、あるクルマが1年を通して非常にうまくいっているのを見れば、いくつかのことをコピーしようとするだろう。だから自然とみんなが近づき、クルマを少しずつ理解していくんだ」
　レギュレーションにより開発の自由度が下がったことや、予算に上限が設定されるようになったことも、チーム間のパフォーマンス差が縮まった原因だと言われている。
　しかし、バーレーンGPで3位になったフェルナンド・アロンソ（アストンマーチン）は、この表彰台獲得が新しいレギュレーションが意図した効果を発揮していることの究極の証明ではないかと問われ、「そんなことはない」と否定。チームの功績を称えるべきだと答えた。
「ローレンス・ストロールのビジョンと野心、あるいは我々のリーダーシップとマネジメントが必要だと思う」
「チャンスは誰にでもあるのに、勝つために必要なことを何でもしようとするチームはひとつしかないように思える。僕はそのチームの一員であることを誇りに思っている」
　フェルスタッペンもアロンソの意見に同意し、「前世代（のレギュレーション）であろうと今世代であろうと関係ない」と話す。
「正しい人材がいて、彼らが本当に勝ちたいと思っていて、彼らが適切な人を雇うなら、何でも可能なんだ」
　フェラーリのシャルル・ルクレールは、競争が激しくなることを歓迎しているようだ。
「全員がより接近しているようで、それは素晴らしいことだと思う」
「Q1やQ2がよりエキサイティングになる。トップチームが大きなマージンを持っている時、彼らはちょっとだけ好きなようにやることができていた」
「今はもっと限界に近づいている。いい感じだ」
　果たして、バーレーンとは大きくコース特性が異なる第2戦サウジアラビアGPはどんな勢力図となるのだろうか。ここでも僅差の予選が繰り広げられたとしたら、目が離せない、とても興味深いシーズンになるかもしれない。
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