マクラーレンF1が技術部門体制を一新。TDジェームズ・キーが離脱、フェラーリからサンチェスが加入
マクラーレンF1チームは、3月23日、技術部門の大規模な組織変更を行い、それに伴い、エグゼクティブ・テクニカルディレクターを務めたジェームズ・キーがチームを去ったことを発表した。新体制を担うひとりとして、フェラーリを離れたばかりのデイビッド・サンチェスが加入することも明らかになった。
マクラーレンによると、今回の組織変更は、将来の成功を可能とする、より強力で革新的なF1チームの基盤を作るための戦略的アプローチであるという。具体的には、技術オペレーション全体を監督するエグゼクティブ・テクニカルディレクターの役割をひとりに担わせる形から離れ、チーム代表アンドレア・ステラの直属として、3人の専門分野に特化したテクニカルディレクターから成るF1テクニカル・エグゼクティブ・チームを形成。この再編成に伴い、エグゼクティブ・テクニカルディレクターを務めたジェームズ・キーはチームを去ったということだ。
キーは2019年にマクラーレンに加入、2020年にチームはコンストラクターズ選手権3位、2021年には4位と好結果を出していた。しかしマクラーレンはその後は勢いを失い、昨年はランキング5位、今年は2戦を終えた段階でランキング最下位10位に沈んでいる。
新たなF1テクニカル・エグゼクティブ・チームのメンバーは、空力担当テクニカルディレクターのピーター・プロドロモウ、カーコンセプトおよびパフォーマンス担当テクニカルディレクターのデイビッド・サンチェス、エンジニアリングおよびデザイン担当テクニカルディレクターのニール・ホールデイの3人。
デイビッド・サンチェスは、10年にわたりスクーデリア・フェラーリの技術部門に所属し、ビークルコンセプト責任者を務めた人物。サンチェスがフェラーリを離れて他のチームに移籍する見通しであるとの報道が3月になされ、移籍先はマクラーレンであるとうわさされていた。サンチェスは2012年にマクラーレンからチーフエアロダイナミシストとしてフェラーリに加入、その後、2022年型マシンF1-75の大幅なパフォーマンス向上に貢献した。
今回うわさが裏付けられる形で、サンチェスのマクラーレン復帰が発表された。正式な加入日は2024年1月1日になるということだ。
空力担当テクニカルディレクターとして空力部門全体を率いるプロドロモウは、レッドブルから2014年にマクラーレンに加入、チーフテクニカルオフィサーとして空力部門の責任者を務めてきた。エンジニアリングおよびデザイン担当テクニカルディレクターに就任するホールデイは、2006年からマクラーレンに所属、副デザインディレクターの役割を担っていた。
今回の発表のなかでは、他に、プロドロモウの直属として、ジュゼッペ・ペッシェがエアロダイナミクス担当ディレクター&チーフ・オブ・スタッフに、ピアーズ・シンがチーフ・オペレーティング・オフィサーに、それぞれ就任することも明かされた。
チーム代表ステラは、ジェームズ・キーのこれまでの貢献に対して感謝の言葉を述べるとともに、今回の組織変更について、次のように説明した。
「この新たな構造によって、チームの技術部門内の明確さと有効性を実現し、2023年に予定されている新しいインフラストラクチャーのアップグレードを最適化するなど、パフォーマンスを最大化するための強力なポジションに我々は身を置くことができる」
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