レッドブルF1代表、予算制限違反による汚名を利用してスポンサーを奪おうとしたライバルの策略を非難

 

 レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、昨年あるライバルチームが、レッドブルのコスト制限違反とそれによる「汚名」を利用して、チームのスポンサーを奪おうとしたことを明らかにした。

 情け容赦のないF1のような激しい競争の世界では、レギュレーション上の優位性を得ることであれ、それを非難することであれ、もしくは競合チームのパートナーを説得してこちら側につけ、商業的に優位に立つことであれ、チームはコース上だけではなくコース外でも戦うのだ。過去2年にわたりレッドブルの競技上の成功はメルセデスをしのいでいるが、それでもレッドブルには、最大のライバルであるメルセデスのように熱狂的なファンがいない。フェラーリにいたっては言うまでもない。

 マックス・フェルスタッペンは常にオレンジ軍団から揺るぎないサポートを受けることができるが、彼らは何よりもフェルスタッペン個人を対象としており、チームへの忠誠心はほとんどない。ホーナーは「ブラックリーのあるチームのようにイギリス人ドライバーがいれば」、F1のファン層とはるかに強いつながりを持つことができると確信している。

「我々はすぐ悪者として見られてしまう」とホーナーはウェブサイト『inews』に語った。

2022年F1第15戦オランダGP ザントフォールト・サーキット
2022年F1第15戦オランダGP ザントフォールト・サーキット

 レッドブルは人気は及ばずとも商業活動では対抗しており、この2年間で多くの堅実なスポンサー契約を締結してきた。特に高額のものは、アメリカのIT大手『オラクル』とのタイトルスポンサー契約だ。

 昨年の予算制限騒動のなかで、レッドブルは13の特定分野において2021年に義務付けられた1億4500万ドル(約189億円)の予算上限を超過したとして、700万ドル(約9億円)もの罰金を科された。チームはまた、空力研究の10%削減といった競技ペナルティも科されており、当時ホーナーはこの措置について「極めて厳しい」と語った。

 この制裁についてメルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、レッドブルの「イメージが低下した」と述べた。そしてホーナーは名を明かさないが、少なくともひとつのチームがレッドブルのパートナーに取り込み、評判に傷のついた彼らを利用しようとした。

「我々は汚名を着せられた」とホーナーは認め、チームの予算制限違反について言及した。

「こうしたことはライバルに利用される。ライバルのうちひとつのチームが我々のスポンサーとパートナーに連絡を取り、我々が彼らのブランドの評判を落とすことになるのではないかとほのめかした。裏でそのようなことが行われていた」

「私の妻はいつも私に言っている。称賛から掌返しまではほんの少しの間しかないと。まるでモータースポーツ版のカーダシアン一家だ」

「自分で決めたことに納得している限りはいい。私はそのような生き方をしている」

2023年F1第1戦バーレーンGP クリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)
2023年F1第1戦バーレーンGP クリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)

 レッドブルはそれが誰だったかわかっているが、チームを貶めて出し抜こうとしたのが誰であれ、彼らが成功したのはレッドブルの好意を損なったことだけだと、少なくともホーナーの目には映っている。F1で長くチーム代表を努めているホーナーは、この世界には策略、口論、卑劣なパンチ、不意打ちが付き物であることをわかっている。ホーナーは自分のチームの違いを完全に描いてみせた。

「我々は大音量で音楽をかけ、笑顔を浮かべている。これは仕事を超えるものでなければならない。そしてトップからそうしていかなければならない」

「エナジードリンク企業が、メルセデス・ベンツ、フェラーリ、アウディ、その他誰にでも挑んでいく。いいではないか? 適切な人材、リソース、カルチャーがあれば、それができないわけがあるだろうか?」

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2023年F1第2戦サウジアラビアGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

F1&雑談
小説
開発
静岡

小説やプログラムの宣伝
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです