エミリア・ロマーニャGPの8月への延期にチームが反対。2023年F1、合計22戦への縮小が濃厚
イタリア北部が豪雨と洪水に見舞われているため、F1第6戦として予定されていたエミリア・ロマーニャGPを5月19~21日に行わないことが決定した後、同グランプリを今シーズン中に日程を変更して開催する可能性について協議された。F1とエミリア・ロマーニャGPのプロモーターは、8月の開催を提案したが、F1チームの大多数がこれを拒否したと伝えられている。
エミリア・ロマーニャ州では、今週激しい雨により洪水と土砂崩れが発生、数千人の人々が避難を余儀なくされており、死者も出るなど、被害が拡大している。その状況から、安全面を考慮するとともに、地元に負担を課すことを避けるため、F1とFIA、プロモーター、地元当局らが、今週末のグランプリ中止を決定した。
F1のCEOステファノ・ドメニカリは、エミリア・ロマーニャGPを今シーズンのカレンダーに残し、別の日程で開催することを強く望んでいる。また、すでに開催料金を支払っているプロモーター側にとっても、キャンセルではなく延期が望ましい。そのため、両者は共同で、8月にイモラでのグランプリを開催するという案をチームに対して提示した。つまり、シーズン前半最後のグランプリであるベルギーGP翌週の8月4~6日、あるいはサマーブレイク明け最初のグランプリであるオランダGPの前週、8月18~20日に行うという提案だったのだが、これを大多数のチームが拒否したといわれる。
チームが拒絶した理由は、ロジスティクス面で問題があること、さらに深刻なのは夏休みが極端に短くなってしまうことだ。
また、ベルギー翌週に開催する場合、ハンガリー/ベルギー/エミリア・ロマーニャの3連戦となり、オランダ前週に組み込む場合は、エミリア・ロマーニャ/オランダ/イタリアの3連戦になってしまう。そして、かなり以前にチケット販売が開始されているため、オランダとの日程を入れ替えて、イタリア2連戦にすることもできない。
シーズン後半戦は過密スケジュールで、追加のグランプリを入れる余地はない。そのため、8月への延期が却下されたことで、2023年F1カレンダーは合計22戦に減る可能性が高くなった。
今回のグランプリキャンセルは不可抗力によるものとはいえ、ドメニカリは厳しい立場に立たされている。2023年は当初は24戦が開催される予定だったが、4月14~16日の中国GPがCOVID-19に関する政策の影響で中止になった。中国GPの場合、代替レースを見つけることが完全に不可能な状況ではなく、ポルトガルは必要な政府の支援を確保しており、マレーシアは料金支払いを受け入れる準備ができており、トルコもグランプリ獲得に非常に積極的な姿勢を見せていたのだ。年間25戦の開催を目指すなかで、今年22戦にとどまることと、責任者であるドメニカリに対し、商業権所有者リバティ・メディアは不満を感じているはずだ。
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