【角田裕毅F1第8戦分析】ポイント獲得の喜びから一転。入賞圏外に降格し落胆、レース後にはへたり込む姿も
F1第8戦スペインGPで9番目にチェッカーフラッグを受けた角田裕毅(アルファタウリ)に、チームから無線が入る。
「ユウキ、スチュワードから5秒ペナルティを科せられた。そのため、我々の最終順位は12位だ」
それを聞いてパルクフェルメに帰ってきた角田は、レース後に定められている体重測定を車検室で行った後、車検室の裏に出てくると、ほかの大勢のドライバーたちであふれかえる空間を避け、FOMの臨時オフィスの裏手に歩いて行った。おそらく、そのときの角田は周りのすべての人たちが敵に見えていたのかもしれない。
FOMの臨時オフィスの裏手に行くと、そこにはいままで見たことがない光景があった。角田がひとりへたり込んでいた。真っ先に駆け寄ったのが、トレーナーのマイケル・イタリアーノだ。続いて、チーム広報のヤナ・ゲイテルダーが近寄る。チェッカーフラッグを受けたドライバーは直ちにメディアの取材に応じなければならないからだ。
しかし、角田はなかなか立ち上がれない。しばらくすると、マネージャーのマリオ宮川がやってきた。その直後、今年から角田のパーソナルアシスタントを務め、このグランプリがデビュー戦となった平松雄大も駆けつける。
それでも、角田は立ち上がることができない。それから数分後、角田はようやく立ち上がり、メディアが待つ、ミックスゾーンへ歩き出した。
「全力を出し切ったのに、ポイントを逃したという現実をいまはまだ受け止められません」
──周冠宇(アルファロメオ)とのバトルで5秒ペナルティを受けたわけですが、接触はしていないですよね?
角田:はい
──ブレーキでロックアップもしていない?
角田:はい
──さらにアウト側にスペースも残していた?
角田:はい
──それで5秒ペナルティは重いですよね。
角田:まあ、どうでもいいです
──レース直後、マシンをパルクフェルメに停めた後、車検室から出てきて、かなり長い間、座り込んでいましたが、どんな気持ちでしたか?
角田:厳しいレースで全力を出し切って9位を勝ち取って、すごくうれしかったんですが、その後、ペナルティを受けて入賞圏外へ落ちたと聞いて、かなり落ち込みました。結構、落ち幅は大きかったです
そう語ってミックスゾーンを後にした角田を、イギリスのテレビ局(チャンネル4)がつかまえて、緊急インタビューした。
今シーズンの角田は2回の入賞以外も、常にポイント争いに絡むレースを続けてきた。それでも、最後は11位以下でチェッカーフラッグを受けてきた。しかし、今回は9番目にチェッカーフラッグを受けたにも関わらず、その後12位に降格。そのショックは私たちが想像する以上に、角田にとっては受け入れ難い事実だった。
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