アルピーヌF1、ハリウッド俳優も参加するアメリカの投資家グループに株式の24%を売却。約312億円を調達
ルノーグループとアルピーヌは6月26日、オトロ・キャピタルと同社のパートナーであるレッドバード・キャピタル・パートナーズ、そしてハリウッド俳優のライアン・レイノルズらが率いるマキシマム・エフォート・インベストメンツによって構成される投資家グループに、アルピーヌF1チームを運営するアルピーヌ・レーシング・リミテッドの株式の24%を売却し、2億ユーロ(約312億円)の出資を受けることを明らかにした。なお、同社の評価額は9億ドルに達したことも明らかにされている。
2億ユーロもの巨額の投資を決めた投資家グループは、ダラス・カウボーイズ(NFL)、リバプールFC(イングランド・プレミアリーグ)やボストン・レッドソックス(MLB)のオーナーであるフェンウェイ・スポーツ・グループ(アメリカ)、トゥールーズFC(フランス)、レクサムAFC(イギリス)など、著名なスポーツチームやスポーツ投資会社の株主を務めてきた。株主のなかにはハリウッド俳優のライアン・レイノルズが率いるマキシマム・エフォート・インベストメンツの他、俳優のロブ・マケルヘニー、マイケル・B・ジョーダンも含まれている。
アルピーヌF1チームは「メディア、スポンサーシップ、チケット販売、ホスピタリティ、商業権管理、ライセンス供与、マーチャンダイジング戦略など、スポーツ業界における投資家グループの総合的な専門知識と実績から恩恵を受け、付加価値の創造と新たな成長手段を引き出すことができる」としており、投資家グループの専門であるマーケティング、商業的パフォーマンスの分野で恩恵を受けること期待している。
今回の出資により、オトロ・キャピタルの共同創業者兼パートナーであるアレック・シャイナーが、アルピーヌ・レーシング・リミテッドの取締役に加わることも明らかにされている。なお、今回の投資家グループによる出資はアルピーヌ・レーシング・リミテッドに対してのみであり、F1パワーユニットの製造を手がけるアルピーヌ・レーシングSASは引き続き、ルノーグループが株式の100%を保有する。
ルノーグループのルカ・デメオCEOは「F1とアルピーヌは、ルノーグループにとって戦略的資産だ。過去2年間、私たちはアルピーヌの名を再び復活させ、その象徴的なスポーツクーペであるA110を活用し、F1に参戦することでアルピーヌを後押しし、チャンピオンシップを目指してF1に参戦することでブランドの勢いを高めてきた。このパートナーシップにより収益原動力を多様化、またブランド価値を高めることにより、アルピーヌF1の発展が加速されるだろう」とコメント。
また、アルピーヌのローラン・ロッシCEOは「この提携は、あらゆるレベルで我々のパフォーマンスを向上させるための重要なステップだ」とコメント。
「第一に、オトロ・キャピタル、レッドバード・キャピタル・パートナーズ、マキシマム・エフォート・インベストメンツは、スポーツ業界において強力な実績を持つ国際的なプレーヤーだ。長期的に我々のスポーツパフォーマンスを支えるために不可欠なメディアとマーケティング戦略を強化するために、彼らが持つ専門知識を我々にもたらすだろう。第二に、得られた増収分はチームに再投資され、最先端の施設と設備でトップチームに追いつくことを目的としたマウンテンクライマー計画をさらに加速させる」
そして、オトロ・キャピタルの共同創業者兼パートナーであり、アルピーヌ・レーシング・リミテッドの取締役に就任したシャイナーは「アルピーヌF1に投資する機会を得て感激している。我々は、アルピーヌF1の経営陣、ブランドの価値、そしてスポーツの長期的な軌道を信じている。私たちのパートナーであるレッドバードとマキシマム・エフォート・インベストメンツとともに、特に北米におけるアルピーヌの事業運営とブランド構築に付加価値を与えることができると信じている」と述べた。
なお、ルノーグループは、6月26日にイギリス・エンストンで開催するアルピーヌ・フューチャー・ツアーにおいて、アルピーヌの今後の戦略を詳しく説明する予定だ。同イベントには、ルノーグループのデメオCEO、アルピーヌのロッシCEOも登場する。
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