F1第14戦木曜会見:一貫性のないマシンに手を焼くサインツ「理解不足こそが最も克服すべき課題」
サマーブレイク明け初戦のF1第14戦オランダGP。ドライバー会見が行われる直前の8月24日(木)に、ハースはケビン・マグヌッセン、ニコ・ヒュルケンベルグの契約延長を発表した。
Q:今朝のビッグニュースは、あなたとニコが2024年もハースに残留するというものでした。あなたにとっては、このチームでの7シーズン目になります。
マグヌッセン:来年は7シーズン目になるんだね。そんなに多いとは感じなかったけど、(契約延長は)素直にうれしいよ。もちろんやるべき仕事も多いし、来年大きく進歩できれば本当に充実したものになるだろう。
Q:交渉自体は、簡単でしたか?「来年も同じように、よろしく!」みたいな。
マグヌッセン:ああ、そんな感じだった(笑)。今回も長い交渉じゃなかった。いつもとてもシンプルでね。だからいいんだ。
Q:「やるべき仕事も多い」と言いましたが、来シーズン中団勢トップの座に挑戦するために、必要なものすべてをハースは持っているのでしょうか?
マグヌッセン:そう思う。ただいくつかのチームが今季とても大きな進歩を遂げたなかで、僕たちはそれを実感できていない。クルマの開発は停滞していると思う。チーム自体の状況はとても健全だけど、クルマに関してはまだ不十分だ。でも前進するために必要な材料はすべて揃っている。これからの後半戦、そして来年に向けてもチャンスはあるはずだよ。
Q:ニコとの関係は、いかがでしょう。お互いにどう補完し合っているのか。そして以前のチームメートとはどう違いますか?
マグヌッセン:とてもいい仕事をしているよね。経験豊富なドライバーと一緒に仕事ができるのはいいことだと思うし、予選でもレースでも超速くて、いつも絶好調なんだ。そんな彼から学ぶことは多いし、僕のレベルも上がっている。いいドライバーコンビだと思う。お互いにリスペクトし合っていて、お互いから恩恵を受けることができると思う。
来季のシート確定直後ということもあって、終始上機嫌に答えていたマグヌッセン。ただしハースの2023年型マシン『VF-23』の戦闘力、特にレースでの失速は、本人も言っているように克服すべき大きな課題のひとつだ。
そしてもうひとつ、チームメイトのヒュルケンベルグに対して、今季のマグヌッセンは完敗の状態だ。特に予選は4勝8敗。「いいドライバーコンビ」と言いつつ、彼のパフォーマンスには内心穏やかではないことだろう。
今季苦戦しているのは、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)も同様だ。夏休み直前の第13戦ベルギーGPではスプリントで3位に入って久々に気を吐いた。しかしアルピーヌはあの週末、オットマー・サフナウアー代表を始めとするチーム首脳たちを突然解任。チーム内に衝撃が走った。
Q:あの成績は、チームのモチベーションを維持する上でどれほど重要でしたか?
ガスリー:シーズン序盤の成績には、誰もががっかりしていたからね。だからスプリント直後にみんなの笑顔に触れ、翌日のガレージ内での仕事ぶりがいつも以上にキビキビしているのをみて、正直ホッとした。僕たちは最高のパッケージを持っているわけではないけれど、それでも時には強い結果を出すことができる。終盤まで毎回達成できるよう、頑張らないとね。
Q:チーム首脳陣の唐突な交代について、これは正しいことだとあなた自身も納得する必要があったのでは?これは、アルピーヌ復活のきっかけになるのでしょうか。
ガスリー:この変化を信じているし、チームの計画も信じている。もちろん短期間での、大幅な戦闘力向上は期待できない。でも来季2024年、そして2025年には、必ず結果が出ているはずだ。確かに言えるのはこれが再出発で、僕たち全員が正しい軌道に乗り、ベストを尽くすチャンスだと確信しているということだよ。
伝え聞くところでは、ベルギー週末のガスリーはかなり動揺していたという。公の場でチーム批判をするはずもないが、はたしてこれがガスリーの本音だろうか。
そしてカルロス・サインツ(フェラーリ)のシーズン前半も、不本意なものだった。ここまで一度も表彰台に上がれず、トップ4チーム8人の中で7位という順位に甘んじている。
Q:今年のマシン『SF-23』に対し、どのようなところを不安に感じていますか?
サインツ:今年のマシンに一貫性がないことは周知の事実だ。その結果、どのサーキットで速くて、どのサーキットで速くないかを予測するのはとても難しい。典型的だったのがハンガリーとベルギーの2連戦だった。マシン特性からすれば、ハンガリーはいい週末になると予想していたし、ベルギーはよくない週末のはずだった。ところが事実は逆だった。この予測不可能性、理解不足こそが今の僕たちが最も克服すべき課題だと思う。
Q:あなたとシャルル(・ルクレール)は昨年のここで、トップ3グリッドを獲得しています。
サインツ:それも同様でね。確かにコース特性的には、僕らにとっていいはずだ。でもハンガリーは、そうじゃなかった。何よりマクラーレンも加わって4チーム8台が、予選でもレースでもコンマ1秒、あるいはコンマ数秒以内にいる。レッドブルは別格だけどね。だからパフォーマンスのほんの小さな振れ幅も、その結果はとても大きい。とにかくタイトな戦いだよ。
Q:外から見ていると、フェラーリはクルマのことをまったく理解していないようです。ドライバーとしてその事実に、どれほどがっかりしていますか?
サインツ:バーレーンの開幕前テストから、自分たちが理解しきれていない何かがクルマにあったことは秘密でも何でもない。でもまだ、あと10レースあるからね。風の影響を受けやすい、路面温度の影響を受けやすい、非常にピーキーなマシン特性……。問題はたくさんある。でも来季に向けてまったく異なることを試したり、チームはかなりいい仕事をしていると思うよ。
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