【F1インタビュー】角田車のPUトラブルは「初めて経験した問題」とHRC折原氏。レッドブル用の新PUは該当部品を交換へ
2023年F1第15戦イタリアGPでは、決勝レースのフォーメーションラップ中にアルファタウリの角田裕毅のパワーユニット(PU)にトラブルが発生し、角田はレースを走れずにイタリアGPを終えた。トラブルのあったPUはレース後にHRC Sakuraに戻され、調査が行われた。HRCのトラックサイドゼネラルマネージャーを務める折原伸太郎氏は今回のトラブルについて、「初めて経験するようなトラブル」だったことを明かした。
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──イタリアGPで角田裕毅(アルファタウリ)選手のパワーユニットに起きたトラブルについて、その後、どうなりましたか。
折原伸太郎HRCトラックサイドゼネラルマネージャー(以下、折原):HRC Sakuraに戻して、検証したところ、エンジン(ICE=内燃機関)のある部品に不具合が見つかりました。ひとつの部品が故障して、エンジンのなかでそれが暴れて、全体のエンジンブローを引き起こしたと考えています。
──壊れたエンジンは4基目でした。チームメイトのリアム・ローソンのエンジンも同じロットの部品が使用されていると思いますが?
折原:ロットを確認しましたが、特異性は確認されませんでした。したがって、バッヂトラブルではないです。おそらく、初期の品質不具合だと思います。ただし、万全を期すために、こちら(ローソン)側の該当部品は大丈夫かどうかをメンテナンスのなかで確認して、問題ないという確認を得ています。
──ローソンの4基目は封印されていますよね?
折原:封印されていても、いろいろと(調べる)方法はあります。
──ということは、ローソンの4基目はプールに入っていて、今後も使用は可能ということですね?
折原:はい。プールに入っている、ほかのエンジンに関しても、該当部品は大丈夫かどうかを確認して、問題ないという結果を得ています。
──おそらく、鈴鹿で投入されることが予想されているレッドブル側の4基目に関しては?
折原:これから新しく組むエンジンに関しても、万全を期すために、該当部品はすべて新しいモノに組み替える予定です。
──イタリアGPの後、HRC Sakuraに帰って、実際に現物を見ましたか?
折原:一緒に解析しているところを見ました。さすがだなと思ったのは、壊れた部品のなかから、『これが怪しいんじゃないか?』というのを見つけてくれて、原因に関しては、かなり確証を持つことができました。
──これまで経験したことがないようなトラブル?
折原:はい。HRC Sakuraにいるスタッフでも初めてでしたし、私にとっても初めて経験するようなトラブルでした。
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