角田裕毅「実力を見極めるレースになる」東京から鈴鹿は「クルマでも3〜4時間で着くと思ってた」/F1日本GP

 

 2023年F1第17戦日本GPの走行開始を翌日に控えた9月21日、2度目の母国GPを迎えた角田裕毅(アルファタウリ)が日本の記者に向けたメディアセッションにて、日本GPの目標や思い、東京から鈴鹿への移動秘話などを語った。

「鈴鹿での日本GPはやはり楽しみですね。僕は鈴鹿サーキットが好きですし、今週は天気も良さそうですから、(雨だった昨年とは異なり)速い鈴鹿を久しぶりに走れるかなという気持ちです」と角田。

「それに、たくさんの日本の方が応援してくださる景色は、ここでしか見ることができませんからね。今年いろいろなコースで日本国旗を見ましたけど、大勢となるとここでしかないですから本当に楽しみです」

 そんな角田は前日の20日も東京新宿で開催されたイベント『F1 Tokyo Festival』に参加。「昨日のイベントは楽しかったですね!」と語ったが、スケジュールはかなり詰まっている模様。シンガポールGPを終えてからの休みを尋ねられると「ないですね、ほとんどプロモーションです。でも、美味しいもつ鍋も食べることができました」と、大のもつ鍋好きとして知られる角田は満足げに語った。
 
 イベント終了後、当初はクルマで東京から鈴鹿へ移動しようと考えていたという角田。「3〜4時間あれば着けると思ったのですけど実は5時間かかると聞いて、さすがにビビって新幹線にしました(笑)」と明かした。なお、昨年はクルマでの移動を選択し、海老名サービスエリアでメロンパンを食べたと語っていた。

「新幹線では帽子とフーディとマスクもつけていたので、意外にバレませんでしたね。一方、後ろの席だったリアム(・ローソン)のところには人がドッと来て、僕はそれを横目に一般の方のふりをしてました。作戦成功でしたね(笑)」

2023年F1第17戦日本GP 角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第17戦日本GP 角田裕毅(アルファタウリ)

 そんな角田は、前戦シンガポールGPの予選Q1でトップタイムをマーク。決勝はセルジオ・ペレスとの接触によりオープニングラップでリタイアとなったが、チームメイトのローソンが入賞するなど、アップデート投入でアルファタウリの戦力は増したようにみえる。

 その上で、鈴鹿での走りの期待値を問われると「まだそこはわからないですね。クルマにどれだけいいパフォーマンスがあるのか。空力上での戦いについてはアルファタウリは今まで強くはありませんでした。シンガポールでアップデートを入れましたが、シンガポールは低速コーナーばかりで空力上での戦いではなく、ダンパー上の効果の方が出やすいです」

「鈴鹿は対象的に、ライバルとはダウンフォースの戦いになります。鈴鹿でいい結果が出れば、この先のレースでも期待が持てるというふうに、実力を見極めるグランプリになると思いますね」

 なお、20日に東京で行われた『F1 Tokyo Festival』にはレッドブルの2名も登壇していた。その際にペレスからシンガポールGP決勝での接触について「謝るとかそういうことではなく、状況の説明はありました」と角田。

 ただ、角田自身も「僕も、もう少しスペースを空けることはできたと思いますし、僕の中でも改善点はあります」と言う。しかし、「それでもハードタイヤ(ペレス)、ソフトタイヤ(角田)のバトルでしたから、もう少しスペースを開けてくれたら……というのはありますね」と、心の淵で巡る複雑な心境を吐露した。

2023年F1第17戦日本GPスペシャルカラーの角田裕毅(アルファタウリ)のヘルメット
2023年F1第17戦日本GPスペシャルカラーの角田裕毅(アルファタウリ)のヘルメット

 そんなシンガポールGPから一転、角田はスペシャルカラーのヘルメットとともに日本GPに臨む。

「今年はホンダの創立75周年ですので、今回のヘルメットもホンダがF1で初優勝を果たした1965年のRA272をモチーフにしています。ホンダとしても力が入るグランプリだと思いますし、いいレースにしたいです」

 そんな角田はメディアセッション終盤「予選はQ3、レースはポイント」と具体的な目標を口にした。

「あとは自分のすべての力を全セッションで出し切れば、ですね」

 イタリアGP、シンガポールGPと、2戦続けてほとんど決勝を走れなかった角田。その悔しさを跳ね除ける鈴鹿での好走に期待したい。

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