ウイリアムズF1、2022年に大幅増収も損失額が増加「今も財政的に安定していない状況」

 

 ウイリアムズF1の2022年決算が公開され、前年に比べて4600万ポンド(約84億円)の増収となったものの、これまで同様、損失を被り、その額が増えていることが明らかになった。

 イギリスの企業登記局カンパニーズ・ハウスに提出されたチームの財務諸表によると、2022年のチームの総収益は1億4280万ポンド(約260億円)だった。2021年の9640万ポンド(約176億円)と比較すると、ウイリアムズの収益は前年比で48%増加したことになる。

 昨年、ウイリアムズはF1コンストラクターズ選手権で最下位10位で終わったため、総額9億ドル(約1348億円)を超える2022年のF1の分配金からの割当額は、全チーム中、一番少なかった。しかしウイリアムズは、フェラーリ、メルセデス、レッドブル、マクラーレンと同様にF1世界選手権への長年の貢献を認められているため、“伝統ボーナス”が与えられる。

 チームの粗利益は7200万ポンド(約131億円)を記録した。一方、年間の営業経費を計算に入れると、ウイリアムズの損失は2021年から大幅増の1789万ドル(約27億円)となっている。

2023年F1第14戦オランダGP アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
2023年F1第14戦オランダGP アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)

「2022年のF1シーズンはスポーツにとって強力な年だった。22戦からなるスケジュールで、高いレベルのファンの動員があり、パンデミック後には慣れ親しんだ場所でのレースが再開された」とウイリアムズは声明で述べている。

「イベント数の増加と、多くの分野においてF1の関与が加速したことが相まって、F1の商業権収益の増加につながった。当社もまた、成長を続けるマーケットプレイスを活用して独自のファンへの取り組みを強化し、ブランド開発を加速させた」

「当初のマシンパフォーマンスには課題があったが、基礎的なプロセスとシステムの改善に明確な焦点を置いたことで、シーズンが進むにつれて有望なマシン開発ができ、主要ライバルたちの開発を上回ることができた。チームが獲得したコンストラクターズ選手権ポイントは、その大半が夏の休暇後に獲得したものだ」

ジェームズ・ボウルズ(ウイリアムズF1チーム代表)
ジェームズ・ボウルズ(ウイリアムズF1チーム代表)

 一方、チーム代表ジェームズ・ボウルズは、F1カタールGPの週末に、ウイリアムズは他のいくつかのチームと同様に「財政的に安定していない」と述べた。

「企業登記局の記録を見れば、ウイリアムズの情報を調べることができる。我々が損失を被っていることが分かるだろう。非常に大きな損失だ。2021年と2022年を比較すると、損失が数千万ドルも増加していることが分かる。2023年と比較すると、実際の数字は今は知ることができないものの、さらに大幅に上回っていることを保証する」

「そういう状況である理由は、我々が、より良くなるために、このスポーツに投資しているからだ」

 ボウルズは、自身のチームが財政的に不安定な状況であることを理由に、11番目のF1チームになることを目指しているアンドレッティの新規参戦に強く反対している。

 ウイリアムズ・レーシングは2020年、チームを創設したウイリアムズ家から、アメリカの民間投資会社ドリルトン・キャピタルに売却された。それ以降、ウイリアムズは将来に向けた多額の投資を行っているほか、経営陣の大規模な刷新を実施した。今年初めにはメルセデスでストラテジストを務めたボウルズが代表として加入し、チームの向上に取り組んでいる。

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