まさか! エスパルガロ兄、”ラストラップ勘違い”の特大ミスで2位が幻に……クアルタラロが独走優勝|MotoGPカタルニア決勝
スペインのカタルニア・サーキットで、MotoGP第9戦カタルニアGPが開催。MotoGPクラスの決勝レースは、ヤマハのファビオ・クアルタラロが独走優勝を果たした。
このレースウイークは快晴に恵まれ、気温は30℃を超える暑さに。路面温度も56℃と非常に高温なコンディションで、ライダーたちは如何にタイヤを温存するかがレースの鍵だとも語っていた。
ポールポジションを獲得したのは、これが地元レースのアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)。2番手にはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)、3番手にファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)とランキングの上位勢が並んだ。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は12番グリッドだ。
スタートでは1列目の3台が好スタート。インに飛び込んだクアルタラロがホールショットを奪い、アレイシ・エスパルガロが2番手でそこに続いた。
そしてターン1では複数台が絡むクラッシュが発生。好スタートを決めていた中上がターン1のイン側で転倒した結果、バニャイヤとアレックス・リンス(スズキ)がその巻き添えとなる形で転倒、レースを終えることになった。このクラッシュは審議対象となったが、最終的にペナルティなどは科されなかった。
オープニングラップにトップを奪ったクアルタラロは、1周目からハイペースな走りで後続を引き離していく。一方で2番手のエスパルガロは、ストレートエンドでホルヘ・マルティン(プラマック)に追い抜かれて3番手にポジションを落とした。
トップのクアルタラロは3周目時点で既に2番手以下に1秒以上のギャップを確立。マルティン、エスパルガロが0.3秒ほどの差で続き、4番手のヨハン・ザルコ(プラマック)以下はそこから1秒差という状況だ。
難しいコンディションの影響か、転倒が続出。ステファン・ブラドル(レプソル・ホンダ)、マルコ・ベッツェッキ(VR46)、グレシーニのエネア・バスティアニーニとファビオ・ディ・ジャンアントニオらがそれぞれクラッシュしてしまった。
ひとりで先頭を走るクアルタラロは、ラップごとにその差を拡大し続けていった。エスパルガロは10周目になんとかマルティンを交わして2番手に浮上したものの、先頭のクアルタラロまでは3秒以上と、大きな差がついてしまった。
その後もクアルタラロは単独走行でペース良く走り、ギャップの拡大が止まらない。その一方で2番手に浮上していたエスパルガロはマルティンを引き離すことができず、残り8周のストレートエンドで逆にマルティンに抜き返されてしまった。
エスパルガロはしばらく3番手を走行していたが、彼は残り4周でスリップストリームを活かして再びマルティンを追い抜くと、今度は突き放すことに成功。2番手のポジションを固めにかかった。
ラストラップ、クアルタラロは独走体制のまま余裕のトップチェッカー。今シーズン2勝目を挙げた。
2位争いでは最終ラップにまさかのドラマが発生した。エスパルガロが最終ラップに突入した際、突如スローダウンしてしまったのだ。その結果、2位はマルティンが獲得。3位はザルコという結果になった。
エスパルガロのスローダウンはマシントラブルかとも思われたが、彼はコントロールライン通過時に身体を震わせ、その後は片手を上げてファンに応えるジェスチャーを見せていたため、周回数を間違えて、2位でフィニッシュしたと勘違いしていたようだ。
結局、エスパルガロは後続のライダーが速度を落とさずに走行を続ける様子から、この特大の”勘違い”に気がついたようで、慌てて加速。なんとか5位でのフィニッシュを果たしたが、5戦連続、そして母国での表彰台という偉業を逃してしまう結果になり、エスパルガロはうなだれてピットに戻るしかなかった。
ランキング争いでは、クアルタラロがギャップを拡大。2番手のエスパルガロとの差を、22ポイントまで広げた。エスパルガロにとって最終ラップの出来事は、チャンピオンシップを考えても手痛いミスとなってしまった。
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