許容範囲の広さが鍵! ”80点”を目指すラリーシーンのサスペンションセッティング|全日本ラリー第5戦

 

 2022年の全日本ラリー選手権第5戦「モントレー」が6月10日~6月12日、群馬県富岡市を舞台に開催された。同ラリーではスバルWRXを駆る新井敏弘がSS2でコースアウトを喫しリタイアしたほか、同じくSS2でGRヤリスを駆る奴田原文雄がミッショントラブルでリタイア。さらにGRヤリスを駆る勝田範彦がSS3でコースアウトを喫し、リタイアするなど上位ランカーが相次いで脱落するサバイバルな展開となるなか、同ラリーで安定した走りを披露したのが、シュコダ・ファビアを駆るヘイキ・コバライネンだった。
 コバライネンはSS2でパンクを喫し、一時はトップ争いから脱落したものの、その後はコンスタントな走りで首位に浮上し、見事シーズン4勝目を獲得した。
「レグ1はスリッパリーで難しいコンディションだった。レグ2はブレーキングでマージンを残して走ったけれど、ハイスピードセクションは昨日よりもリズム良く走れたと思う」とコバライネン。
 その言葉通り、モントレーのステージは通常のターマックに加えて、舗装が剥げ、グラベルが浮き出すセクションも多く、まさに“ラフターマック”という印象で、それゆえに近年に例のないサバイバルラリーが開催されていた。
 当然、今大会ではサスペンションのセットアップが、マシンのパフォーマンスを左右することになったのだが、果たしてラリーシーンではどのように足回りのセットアップを煮詰めているのだろうか?
 コバライネンによれば「サーキットを走るレーシングカーは車高が低く、ダンパーもハードなセッティングを行う傾向にあるけれど、ラリーのスペシャルステージはバンピーな路面が多いからね。車高も高いし、ダンパーもソフトで、より動くようなセットアップを行う傾向にあるかな」と分析。
 さらに「特に僕はコーナーでロールしたり、アクセルやブレーキングでダイブする感覚があるほうが好きだから、ソフトな方向でセッティングしている。多くのドライバーがレーシングカーのようなセットアップを好むけれど、僕はターマックでもソフトサイドにふっていて、そのほうがグリップレベルが低い時にも安定した走りができる。もちろん、グラベルはもっとソフトなセッティングになっているよ」と説明する。
「サスペンションのセットアップはベストなカーバランスを探すために常に変えている。特に開幕時点ではフロントのグリップ感がなかったから、いろいろと試していた。昨年までドライビングしていたトヨタGT86 …読み続ける

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