フェルスタッペンが”ブッちぎり”のポールポジション! アロンソが雨を活かしフロントロウ獲得|F1第9戦カナダGP

 

 F1第9戦カナダGPの予選セッションが行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得した。
 カナダGPの土曜日は、フリー走行3回目からウエットコンディションに。現地16時となり予選セッションの時間を迎えても、依然小雨が降っているという状況だった。
 気温は12度、路面温度は17度と寒空の下、18分間の予選Q1が開始された。FP3の終盤では各車ダンプコンディション用のインターミディエイトタイヤを履いていたが、コース上に水が溜まったこともあり、Q1開始時には全車フルウエットタイヤを履いてコースに出た。
 ウエットコンディションでは、ドライコンディションよりも圧倒的にコースオフやクラッシュといったアクシデントにより黄旗や赤旗が出される可能性が高いため、Q1ではまずはタイムを計測しておくことが必須。水煙が立ち込める中、全車がアタックを開始した。
 マシンパフォーマンス差を比較的均等化し、ドライバーの腕がより試されることになるウエットコンディション。レッドブルやフェラーリのドライバーだけでなく、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)やケビン・マグヌッセン(ハース)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)など中団グループのドライバーがトップに立つシーンもあった。
 マシンが周回を重ねることでコース上の水量は減り、Q1後半に向けて各車のタイムが軒並み上がっていった。
 コースにマシンを留めることが難しい状況の中で、フェルスタッペンはユーズドのウェットタイヤで1分31秒219をマークしトップに。最終アタックでフェラーリ勢の前2番手にアロンソが食い込んだ。
 一方でブレーキに問題を抱えていたピエール・ガスリー(アルファタウリ)が16番手。今回が母国GPとなるランス・ストロールを含めたアストンマーチン勢やニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)も、ここQ1で敗退となった。
 パワーユニット(PU)の規定数を越える交換によりグリッド最後尾からの決勝レーススタートが決定している角田裕毅(アルファタウリ)は、クラッシュするリスクを避けるためか、早々にタイム計測を切り上げ20番手となった。
 角田同様、PU交換によりグリッド降格が決定しているシャルル・ルクレール(フェラーリ)も、Q2進出を決めながらここでマシンを降りた。
 トップ10入りを決めるQ2を前にモントリオールの空は明るくなり、徐々に雨脚も弱まっていった。15分のQ2が開始されると、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がまずインターミディエイトタイヤを履きコースイン。Q2進出組の半分がインターミディエイトタイヤで続いた。
 レコードライン上が乾き始め、路面がウエットタイヤからインターミディエイトタイヤに合った状況へと変化し、インターミディエイトタイヤのアロンソが1分32秒277でトップに。ウエットタイヤでコースに出ていたドライバーも、ピットで履き替えてタイムアタックに向かった。
 しかしそのタイミングで、セルジオ・ペレス(レッドブル)がターン3でタイヤをロックさせバリアに正面からヒット。衝撃はそれほど大きくなかったものの、マシンをコース上に戻すことができず、ペレスはここでマシンを降りることとなった。
 これにより赤旗が提示。ペレスの前に同じくウォールにマシン正面を当てていたアルボンは間一髪。ピットでフロントウイングを交換して再開を待った。
 セッションは9分を残して再開され、13台がトップ10入りを目指してコースイン。コースの所々にドライラインができ始め、それに応じて各車のペースも上がっていった。
 路面状況の改善が著しくタイムシートが目まぐるしく変わる中、アロンソが計測した1分32秒277をフェルスタッペンが1分32秒219で上回り、Q2トップ通過。ジョージ・ラッセル(メルセデス)とサインツJr.、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がそれに続いた。
 メルセデス勢とアルピーヌ勢、そしてハース勢が揃ってQ3進出。周冠宇(アルファロメオ)やダニエル・リカルド(マクラーレン)もトップ10に踏みとどまり、Q3に駒を進めた。
 11番手のボッタス、12番手のアルボン、そしてルクレールとペレスがここで脱落。赤旗中断時にPUに不調が発生したことでタイムアタックの時間が減っていたランド・ノリス(マクラーレン)も、タイム計測できずにQ2敗退となった。
 ポールポジションを決める12分間Q3がスタートすると、ラッセルを先頭に各ドライバーが新品のインターミディエイトを履いて続々とコース上へ。メルセデス勢がまずタイムを出すも、フェルスタッペンが1分22秒701をマークしトップに立った。
 サインツJr.は2度目のアタックでフェルスタッペンのタイムを狙うも0.231秒届かず。3番手にアロンソ、4番手にミック・シューマッハー(ハース)が続いた。
 各車が残り5分を前に新品のインターミディエイトタイヤに履き替える中、ラッセルがソフトタイヤを投入し”ギャンブル”に出たものの、アタック1周目のターン1でウエットパッチに乗ったことでターン2でスピン。リヤウイングを軽くウォールに当ててしまった。
 フェルスタッペンは、自身のタイムを1秒以上回る1分21秒620で後続を突き放す。最終アタックでさらに1分21秒299へとペースを上げ、誰も寄せ付けない走りで今季3度目のポールポジションを獲得した。
 サインツJr.はそのタイムに挑むも1分22秒096秒が精一杯。そしてそのサインツJr.をアロンソが上回る。乾きかけの路面コンディションを活かし、40歳のベテランがフロントロウの一角を獲得した。
 4番手にハミルトン、その後ろにはハース勢が続いた。マグヌッセンには最後上回られたものの、シューマッハーにとっては今回の6番手が自己最高グリッドだ。
 7番手にオコン、ソフトタイヤで挑んだラッセルは8番手、リカルドは9番手、周が10番手というトップ10だった。
 驚きも多かった雨の予選だったが、決勝レースが行なわれる日曜日は晴れ予報。土曜日とは勢力図もまた変わってくるだろう。決勝レースは日本時間6月20日3時にスタートする。見逃すことはできない。
 
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