レッドブル&HRC密着:路面状況の変わる難コンディション。PPのフェルスタッペンも「こんなに苦労したQ1はなかった」
ライバルのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が金曜日に続いて土曜日もパワーユニット交換を行い、最後列スタートとなることが決定して迎えた、F1第9戦カナダGP予選。
しかし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の前から敵がいなくなったわけではなかった。
まず天候だ。土曜日のモントリオールは朝から雨が断続的に降り続いていた。予選が始まってから次第に雨は弱まり、路面コンディションが徐々に変わっていくという難しいコンディションだった。
「コンディションがとてもトリッキーだった。特にQ1は視界の悪さもあって、前との差が正確にわからなくて突然スピードを落とさなければならないこともあった」
さらにこの日のサーキットは冬のように寒く、予選は気温12度、路面温度18度でスタートしていた。
「渋滞にはまるとタイヤがすぐに冷えてグリップが低下してしまった。僕にとって、こんなに苦労したQ1はなかった」と言うフェルスタッペンの言葉が決してお世辞ではなかったことは、チームメイトのセルジオ・ペレスがブレーキでミスを犯してクラッシュし、Q2で敗退していることでもわかる。
「ブレーキが少し冷たくなっていて、その前のラップの10コーナーでロックさせてしまい、フラットスポットを作ってしまった。そのせいであの周の3コーナーへの進入がうまくいかなかった。あのときは、アタックというよりタイヤの温度を上げようとしただけだったんだけど、残念ながら限界を超えてしまった。もう少し慎重にならなければならなかった」(ペレス)
そんな予選もQ3に入ると、徐々に路面が乾き出していく。
「路面が乾き始めたら、だんだん楽しくなってきた。こういう状況では、適切なタイミングでコースインし、ベストなタイミングで最後のアタックを行うことが重要なんだ」と言うフェルスタッペンに現れた最後の敵が、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)だった。雨だったフリー走行3回目でトップタイムをマークしていたアロンソの速さは、予選でさらに加速。最後のアタックではフェルスタッペンとセクター2まで変わらぬ速さだった。
「でも、幸運なことに、すべてがうまくいった」というフェルスタッペンが、最終的にアロンソにコンマ7秒の差をつけてポールポジションを獲得。
「子供のころからテレビで見ていた憧れのフェルナンド(・アロンソ)と共にフロントローからスタートできるなんて思ってもいなかった。もちろん、フェルナンドは少し年を取ったけど、いまも変わらず本当に速い」と称えた後、日曜日に向けてはこう言って警戒していた。
「必ず好スタートを切ってくるだろうから、僕もしっかりと準備しておかなければならない」
通算25勝、ポールポジション15回のフェルスタッペンが、通算32勝、ポールポジション22回のアロンソとスタート直後にどんな戦いを演じるのか。ホンダをよく知るふたりの対決は、日本のファンの胸を熱くするに違いない。
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