2023年はトップ3での争いを目指すマクラーレンF1。開発面では「新たな方向性に目を向ける」ことが必要に
マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・キーは、チームがMCL36を今では最適化できていると述べているが、2023年にマシンを向上させF1のトップ集団で戦うには、開発において「新たな領域」を解き放つ必要があると示唆している。
マクラーレンは現在コンストラクターズ選手権で5位につけており、4位のアルピーヌとの差はわずか4ポイントだ。この2チームはF1の中団グループのトップで覇権を争い、激しい攻防を繰り広げている。しかしマクラーレンのMCL36にはドラッグレベルが原因のストレートスピード不足と、トラックの温度の高さに敏感というふたつの大きな弱点があるため、パフォーマンスはしばしばトラックによって変動している。
「我々が強力なパフォーマンスを見せている時、それは本物だ」と先月キーは『The Race』に語った。
「まぐれ当たりではない。しかし同様にパフォーマンスの弱さも抱えている」
「ジェットコースターのようであることは間違いないが、良い点はオーストラリア、イモラ、モナコなどで多くのポイントを獲得したことだ。偶然のことではなく、こうしたコースではマシンのパフォーマンスがはっきりと表れていた。あのパフォーマンスがすべてのコースで出るようにする必要がある」
「また特定のコースにおいて、弱点と思われることがマイナスに出ることも目にしてきた」
キーは後者についてはセットアップ変更だけでは解決できず、解決のプロセスにおいては開発工程がより大きな部分を占めるだろうと明言した。短期的なアイデアが試されテストが行われたが、マクラーレンは、2023年のマシンに施されるより根本的な改良に期待する必要があるだろう。
「ここしばらく詳細に検討されているアクティビティがある。自分たちにどのような選択肢があるか見るためのものだ」
「その一部は2023年のマシンに導入されるのを見ることができるかもしれない。実際のところ、ジオメトリーを少し変えればこの効果が得られる可能性がる」
「一部はより短期的な解決策になるかもしれない。改善を試すために、双方(のマシンの弱点)について短期および長期的なアクティビティが行われる」
マクラーレンは先月のフランスGPで多くのアップグレードを投入し、ハンガリーではMCL36のさらなる最適化を行った。マクラーレンが来年F1のトップ3での戦いに食い込むことは、チームにとって正当な野望だが、そうできるレベルにまでマシンのパフォーマンスを改善するにあたっては、エンジニアリング部門が最適化の枠を超えて「新たな方向を模索し始める」必要があるとキーは述べている。
「今、できる限りの最適化を行っている。我々には予算と時間の制限に加えて来年のマシンについて考慮すべき他のことがあるが、次のステップは開発においてさらなるポテンシャルを解き放ち、新たな方向性に目を向けることになるだろう」とキーが語ったと『GP Fans』は報じた。
「我々はまだその段階にいない。コースでは今その段階に達しているが、考え方の点では数カ月前に達していた」
「それが本当に我々が行う必要があることだ。開発において新たな領域を解き放たなければならず、来年に向けて詳細を詰めている」
「競争の成果を詳しく見てみると、ふたつのチームがここで何ができるのかということを明確に示しており、我々他のチームに大差をつけている」
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