メルセデスの辞書に盛者必衰の理はナシ。「F1に敗北はない。ただ学ぶだけだ」とチーム代表は来季の再起に目を向ける
メルセデスのトト・ウルフ代表は、チームは今季の苦戦から得られた糧は大きいと語った。
2014年にF1が現行のV6ターボ・ハイブリッド規定を導入して以降、常にメルセデスは常勝軍団としてF1のトップに君臨し続けてきた。2022年はレッドブルと死闘を繰り広げた末に、マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル獲得を許したが、コンストラクターズタイトル8連覇は達成している。
今季からF1は新たな技術規定を導入したが、メルセデスは大いに苦戦。ハンガリーGPではジョージ・ラッセルが驚きのポールポジションを獲得するなど、シーズン中盤は盛り返したものの、直近のベルギーGPでは予選でトップのフェルスタッペンから2秒近く遅れるなど、復活は一筋縄ではいかない様子だ。
今季、メルセデスは14戦を終えて未勝利。今季のタイトル獲得のチャンスは既に彼方へ消え去っている。
F1の歴史を紐解くと、F1チームは負けて強くなることもある(無論、敗者としてシリーズを去るチームも多いが……)。メルセデスもこれまで、敗北から得られるメリットの多さを強調してきたが、喜怒哀楽の激しいシーズンを送ると「現実を受け入れることがとても難しくなる」とウルフは吐露している。ただこの半年で得た収穫は多いようだ。
「現在、我々は間違い続けている」
そうウルフは言う。
「色々なところで相関関係にズレが生じている。それが我々のパフォーマンスが低下させているんだ」
「おそらく、たったひとつのことが全てを覆い隠していて、そのためにマシン本来パーツに関する課題をクリアできていないのだ」
「タイヤを根本的に理解できていないだけで、他の部分は全て問題ないのか? それとも空力がダメなのか? それともメカニカルバランス? 解析するのはとても難しいことだと思う」
「F1でよく言われるように、負けることはない。ただ学ぶだけだ」
「しかし、それはかなり大変だと言える。いい感じのインスタグラムの投稿や、我々がここ8年で行なってきたことについて話したこと全てでは伝えきれない」
「ダンジョンに辿り着いた時、自分の信念と価値観にこだわり続けること、精神を強く保つこと、そして改善のために本当に執念深くあり続けること……この8年間について書かれた書物よりも、今年について書かれた書物の方が多いだろうね」
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