逆転タイトル獲得へ。平川亮「同点で臨むバーレーンに向けて、慎重に準備していく」

 

 富士スピードウェイで開催されたWEC富士6時間レース。久々の地元レースでトヨタ勢が速さを見せ、トヨタ8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が優勝した。
 とはいえ、トヨタも全くの無風で勝利したわけではない。7号車はブレーキングが不安定となってペースが上げられず、8号車から1分ほど遅れてのフィニッシュとなったのだ。
 その原因は、9月13日に行なわれた小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)と平川のオンライングループ取材の時点でも分かっていないという。
 また今回は、トヨタも含めたハイパーカークラスはタイヤの摩耗が厳しいという問題に対処しなければならなかった。アルピーヌやプジョー勢が素直にダブルスティント(タイヤを交換せずに2スティント走行)をした一方で、トヨタ勢は最初のピットストップで左側2輪のタイヤ交換を実施した。
 このタイヤ戦略について、小林は次のように説明した。
「タイヤの摩耗が左側だけキツくて、ダブルスティントいけないかもしれないので、変えないといけないという状態でした。だからあのような戦略になったということですね」
「基本的には、最初どれだけ減るかが分からないので、確認のため、念のためというイメージだと思います。そこで摩耗をチェックしてOKだったので、(その後は)ダブルスティント行ったっていう感じじゃないかなと」
 今回の結果、トヨタ8号車のドライバー3人は獲得ポイントを121ポイントまで伸ばした。これでアルピーヌ36号車のドライバーたちと同ポイントに並び、ランキング首位で最終戦バーレーン8時間レースに臨む事になる。また、7号車はこの2台から26ポイントのビハインド。ただ8時間レースはポイント配分が大きく、最大38ポイント獲得が可能なため、戴冠の可能性が消えたわけではない。
 平川は、レースでは走ったことがないバーレーンでのレースに向けて、できる限りの準備をしていきたいと語った。
「チャンピオンシップ的には同点ということで、前でゴールした方がチャンピオンになります。昨年バーレーンで走る機会はあったんですけど、レースはやったことがないので、慎重に準備をしていきたいと思っています」
「富士でたくさんレースをしたという経験は、今回のレースにも活きていたので、過去のレースを見たりとかオンボード映像をみたり、シミュレータもやると思いますし、その辺りしっかりと準備をしていければと思います」
「今年で言えば、セブリングがそれと同じでした。走ったことがなくて、テストで走ってという形なんですけど、同じような取り組み方をしていければといいかなと思います。それにレースは長くて暑いので、そこも含めて準備していきたいと思います」
 チーム代表を兼任する小林は、チーム力を発揮し、チャンピオンシップを勝ち取っていきたいと意気込んだ。
「やっぱり1番大事なのは信頼性で、確実に問題をなくすっていうところですね。チャンピオンシップを勝つためには信頼性というのはやっぱりすごい大事なポイントです。そこは多分1番集中しないといけない部分なのかなと思っています」
「ただ起こる時は起こるものなので、そういう時にどう対応するかっていうところも考えないといけません。プレッシャーを与えたところで何が変わるっていうものでもないので、今までやってきたものがバーレーンでちゃんと示せるといいなと思います」
「このチームの強さは団結力であったり、チーム力がウリだと思うので、そういうところをしっかり使って結果を残していくっていうことかなと思います」
 
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