細かく手の込んだフロアエッジ。メルセデスを上回るアルファロメオの造形美【F1日本GP鈴鹿テクニカルウォッチ】
3年ぶりのにF1が開催されるだけでなく、今年の新規定マシンがはじめてお目にかかれる今年の日本GP鈴鹿。メカ好きライターの世良耕太氏も、新しいF1マシンにもちろん、興味津々。早速、鈴鹿で自由テーマでウォッチングしていただきました。
……ところがなんと、新型コロナ禍の影響からか、木曜搬入日にこれまで車検場に移動していたマシンの姿が今年は見られず、間近でF1マシンを見ることができるのが、チームのタイヤ交換練習のときという、シチュエーションに。この3年でいろいろ車検への手順も変わったようですが、それでもメカ好きは諦めません!
偶然出会えたマシンの細部を見て頂きました。
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木曜日の午後3時から4時半頃にかけて、ピットレーンを歩きました。そのとき、たまたま目に付いたモノをお見せしていきましょう。
メルセデスやフェラーリ、マクラーレン、アルファロメオがピットストップ練習をしていました。何十回とタイヤ交換を繰り返します。
それにしても2022年型F1マシン、生で見ると無塗装のエリアが多いのが目を引きます。少しでも塗装/フイルムの重量を減らしたいのでしょう(てことはみなさん、最低重量オーバーなのでしょうか)。
メルセデスのピット前にフロントウイングが2点、重ねて置いてありました。よく見ると(いや、ひと目で?)、上下で仕様が異なるのがわかります。
上はジョージ・ラッセル用で、ノーズの先端に貼られたステッカーに「START」と記してあります。下の仕様には「3rd Shared Spare」と書いてあります。ラッセル、ルイス・ハミルトン共用のスペアなのでしょうか。
最後方とその手前にあるフラップの形状の違いが顕著です。「PETRONAS Syntium」のロゴの配置が異なりますね。
F1マシンといえば、手の込んだ造作に毎回驚かされますが、メルセデスW13のフロアエッジの処理もそのひとつ。写真はフロント側のエッジ部で、フロア下から外への流れを促している部位。ボルテックスジェネレーターのようなフック状の突起が確認できます。
こちらはアルファロメオC42のフロアエッジ。フロアのフロント側ではフロア下から外に空気を流したい。その後方ではフロア後方〜ディフューザーに向けて空気を取り込みたい。さらにその後方では、フロア下の流れに邪魔な空気が入らないようブロックしたい。役割の異なる空気の流れを精度高く制御しようと、苦労した跡が見られます。
それにしてもアルファロメオの造作、きれいです。
こちらは同じくアルファロメオC42のフロントウイングです。左斜め後方から眺めたところですが、フラップの最後方、外寄りにフラップの角度を調節する機構が確認できます。最上部のドーム型部分の上方から六角を差し込んで回すと、フラップの角度が変わる仕組み(のよう)。後方の開口部はタイヤ表面温度センサー?
凝っているし、造りがきれいです。
ピットのまわりには人が近寄らないようにテンサバリアが張り巡らされていましたが、10チーム中、もっとも粋なバリアはやはり、アルファロメオでした。
多くのチームがベルト部分にチームのロゴを配しているなかで、フェラーリは無地。ポール上面の跳ね馬ロゴ部分も深い古した感が出ていました。
昔はこういうところまで気を使っていた気がするんですけどね……。
生F1マシンも良かったのですが、ピットレーンを歩いていてもっとも「カッコイイ」と心ときめいたクルマは、鈴鹿サーキットの路面清掃車でした。
路面をベターにしている最中(ベタなギャグですみません)。
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