「コストキャップ下のF1では技術的な自由度を拡大すべき」とマクラーレンのブラウン

 

 マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、F1に予算制限が導入された今、チームに許される技術上の自由は拡大すべきだと考えている。

 コストを抑制し、競争の場をより公平にすることを目的としたF1の予算制限が、長年の構想を経て、2021年に導入された。

 2021年、チームは1億4500万ドル(約192億円)の予算内で運営を行わなければならなかった。この予算は設計、開発、シーズン中のランニングコストをカバーするもので、エンジンにかかる費用やドライバーの報酬などの項目は除外となる。

 2022年の予算上限は当初1億4000万ドル(約185億円)に設定されていたが、世界的なインフレ圧力のために、シーズン半ばに調整されている。制限額は2023年には1億3500万ドル(約179億円)まで引き下げられる予定だ。

2022年F1第19戦アメリカGP スタートシーン
2022年F1第19戦アメリカGP スタートシーン

 ブラウンは、F1の予算制限システムが確立されるなかで、テクニカルレギュレーションにおいて自由度を拡大すべきだと論じている。

「予算制限があるのなら、その制限内でもっと技術的な自由が許されるべきだ」とブラウンは主張する。

「そうすればさらなるイノベーションや冒険につながり、マシンはいっそう異なったものになるだろう」

「上限があるということは、ふたつのガイドラインが示されているようなものだ。『すべてがこれとまったく同じに見えなければならない』『これ以上支出することはできない』という2点だ」

「金を使うのをやめて、やりたいことをする。そうすればより多くの革新がもたらされ、誰もが互いに学び合うことになると思う」

「(2009年に)ブラウンがダブルディフューザーを作った時のようにだ。そうして彼らは素晴らしいスタートを切った。しかしシーズン末にはバランスが取れた。つまりそういったことが可能だということだ。それがこのスポーツの魅力的な部分だと思う」

マクラーレン・レーシングCEOザク・ブラウン
マクラーレン・レーシングCEOザク・ブラウン

 2021年シーズンのマクラーレンは予算制限を守ってF1活動を行ったが、ブラウンはそれがチームにとって「神経をすり減らすプロセス」だったことを認めた。

「できるだけ制限額に近づけたかったので、神経をすり減らすことになった」とブラウンは説明している。

「アクシデントが起きたり何かがうまくいかなくなったらどうするか。(それで終わりになる)そう思うとね。だが我々は(2020年に)予行演習を行っていた」

「我々のCFOには多くの説明と質問をする機会があり、そういった作業をたっぷり行った。フェデリコ(・ロディ、F1の財務レギュレーション責任者)とFIAは素晴らしい仕事をした。明確さがあり、何か疑問があれば質問をすればよかった」

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