イタリアメディアがフェラーリPUの馬力アップを報道も、バスール新代表が否定「進歩があったのは信頼性の面」
フェラーリF1の新代表フレデリック・バスールは、2023年シーズンに向けてチームがすでにパワーユニットの出力を30馬力上げることができたという報道に冷や水を浴びせた。
2023年シーズンはエンジン開発が正式に凍結されているが、各チームは既存のパワーユニットの信頼性を向上させ、効率を上げるための作業を行うことはできる。イタリアのメディアは今週、アブダビで2022年シーズンが終了して以降、オフシーズンの休暇の間にフェラーリのエンジニアがマラネロで大幅にパフォーマンスを上げることができたと報じた。
しかしバスールは信頼性の面で進歩があったことは認めたものの、馬力アップについての報道をきっぱりと否定した。
「エンジンについてそのような数字がどこから出てきたのかわからないが、それは冗談だろう!」とバスールが語ったと、『RACER』誌は報じた。
「多少の進歩があったが、それは信頼性の面だ。エンジンのパフォーマンスはまったく問題なかったと思う」
「問題は信頼性にあったので、まずはそれを解決することが目標だ。これまでのところ順調だが、コース上での信頼性にはまた別の側面がある」
「チームが抱えている問題はいくつかあると思う。フェラーリに限ったことではないが、信頼性にはトラックオペレーションやバウンシング、振動も関係してくる」
「この数カ月で彼らは優れた仕事をした。今では問題は制御できていると思っているし、そう願っている。バーレーンでは誰もがはるかによい状況にあるだろう」
2022年シーズンのフェラーリは、シャルル・ルクレールが開幕からの3戦で2勝して好調なスタートを切り、早い時期にポイント数でアドバンテージを得た。ライバルのレッドブルは当初リタイアが重なって苦しんだが、すぐに対処を行い、最終的にマックス・フェルスタッペンは15勝を挙げ、セルジオ・ペレスも2勝した。一方のフェラーリは、シーズンが進むにつれてトラブルが増えていき、結果として競争力を落としたが、それでもコンストラクターズ選手権を2位でフィニッシュし、メルセデスに39ポイント差をつけた。
マッティア・ビノットの後を継いだバスールがチーム代表として重視していることは、2023年に同じようなパフォーマンスの低下を繰り返さないようにすることだ。
「開発というものは、戦略的な選択を行うことが非常に多い。現在は予算制限があるため、今年のマシンと来年のマシンのどちらにより重点を置くか選択しなければならない」
「私は(昨年は)いなかったので、過去に起きたことについて判断することはしたくない。シーズン中にわかるようになるだろう」
バスールはチームの体制をすぐに変えるつもりはないと語った。調整を考える前に、彼はチームに馴染んで、どのような運営が行われているか把握しなければならないという。
「2週間経ったところで、技術組織について行動を起こすのは、私の立場からすると傲慢なことだ。我々はシステムの改善方法、システムの弱点、また、より優れた仕事をすることについて議論してきた。大きな進歩や変化を果たすよりも、継続して改善を行っていくことだ。そうでなければ意味がないと思う」
「私は担当のスタッフたちを信頼している。彼らのためにベストを尽くして仕事をするつもりだ。システムが機能していない場合、対策を講じるのは数週間から数カ月後のことになるが、私は彼らを信頼している」
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