FIAがドライバーの発言規制に関するガイダンスを通知。許可されない場面での政治・宗教的な思想表明には厳しい罰も
昨年12月、ドライバーたちが政治的、宗教的な主張を表現することに制限を設けると発表したFIAが、そのルールについてより明確な説明を行った。
FIAは、2023年には国際モータースポーツ競技規則(ISC)において、事前の承認がない場合、中立性の一般原則に違反する、政治的、宗教的、個人的な声明またはコメントの一般的な行使と表示を禁止することを明らかにした。これに対して何人かのドライバーたちが反発を示すなか、FIAはこの規定をより詳しく説明する文書「ISC第12.2.1.n条の中立性の原則についてのガイダンス」を、各チームに送付した。
こういったルールを設ける理由について、FIAは「いかなる国際競技においても、モータースポーツとチームやドライバーに焦点を当て続ける必要がある。個人のアドボカシーのためのプラットフォームとして理由されるべきではない」と記している。
「またこの原則は、競技参加者が、特定の国内外の問題について、望まないにもかかわらず公的な立場を取らざるを得ない状況に置かれることを防ぐことも目的としている」
この文書には、「ドライバーたちは、国際競技の前、その最中、その後に、政治的、宗教的、個人的な事柄についての意見を、自分自身のスペースにおいて表明することはできる。国際競技の範囲外でもそれが可能である」と記されている。「自分自身のスペース」としては、たとえばレース以外の場所、ソーシャルメディアやメディアによるインタビュー、FIA記者会見を挙げているが、FIA記者会見においては、認定ジャーナリストからの直接の質問に対する回答以外は許されないという。
一方、コース上の活動中、ドライバーズパレード、表彰式、クールダウンルーム、ドライバーの集合写真撮影などレース前後の手順においては、ドライバーは、中立性の一般原則に反して、政治的、宗教的、および/または個人的な発言をすることは許されない。
そういう行為を行いたい場合は、例外的な状況でなければ、少なくとも4週間前に申請を行い、承認を受けなければならない。
ドライバーのヘルメットなどにたとえばレインボーフラッグを入れるなどの行為が許されるかどうかは不明だが、それも事前の許可が必要になるのではないかと考えられている。空を指すなどの布教行為ではない宗教的ジェスチャーは、禁止行為とはみなされない。
ドライバーの発言が、政治的、宗教的、個人的なものかどうかは、各グランプリのスチュワードが判断するという。スチュワードはISCに定められた罰のいずれかをドライバーに科すことができ、可能性のあるペナルティは、戒告や罰金からグリッド降格やタイムペナルティまで広範囲にわたる。
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