新型C1タイヤはレースで有効な選択肢になる/ピレリ F1バーレーンGPプレビュー
3月3〜5日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される2023年F1第1戦バーレーンGP。レースを前にタイヤ供給を行うピレリがプレビューを公開している。
ピレリがバーレーンGPに持ち込むタイヤアロケーションはC1ハード、C2ミディアム、C3ソフトの3種類。今回各チームが自由に使えるタイヤは、1台につきハード2セット、ミディアム3セット、ソフト8セットの計13セット。これにインターミディエイトおよびウエットタイヤが割り当てられる。
なお、2023年シーズンから新たに導入される“C1”は今回のバーレーンGPがデビューとなる。今季ピレリのタイヤコンパウンドは6種類に増え、新コンパウンドとなるC1は、2022年にC1として採用されていた今季のもっとも硬いC0と、昨年から変更なしとなるC2の間を埋めるタイヤだ。
ピレリによると、バーレーン・インターナショナル・サーキットは、今年最も摩耗性の高いアスファルトを使用し、低速から中速コーナーが続くコースで、タイヤには主にトラクションとブレーキ性能が要求されるコースとなり、リヤの安定性も要求されるレイアウトだ。
また同サーキットは気温変化が激しいことも考慮すべき点だという。日中45度にもなるアスファルトの温度は夕方には15度以上温度が下がる。そのため、現地18時から始まるフリー走行2回目と予選、決勝は、早い時間に行われるフリー走行1回目および3回目とはコンディションが大きく異なる。
そしてバーレーンGPの舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットは周囲を砂漠に囲まれているため、風によって砂がコースに吹き付けられ、セッション中のグリップレベルに影響を与えることもある。また、バーレーンGPのサポートレースにはFIA F2とFIA F3が予定されており、マシンによって路面に敷き詰められたラバーグリップもタイヤに影響を与える。
戦略を決めるうえで重要な要素となるのがタイヤのデグラデーションだ。2022年のバーレーンGPはレース終盤のセーフティカー導入により、想定していた2回ストップではなくほぼすべてのドライバーが3回ストップを行った。優勝を飾ったシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、最初の2スティントをソフトで走り、その後ミディアムに交換。セーフティカー導入により、ルクレールは最終スティントではソフトに戻し、チームメイトのカルロス・サインツを抑えてトップチェッカーを受けた。
2023年F1第1戦バーレーンGPの開催を控え、ピレリのモータースポーツディレクターであるマリオ・イゾラは以下のようにコメントしている。
「2023年のF1初戦は、昨年実施した開発作業のすべてを検証するための重要なテストベンチになる。その結果、タイヤの構造をさらに改善し、新しいコンパウンドを導入することができた」
「昨年のC2をベースにしたまったく新しいコンパウンドで、硬いコンパウンドとの性能差を縮めることができるだろう。今週末のレースでも有効な選択肢となることを期待している」
「バーレーンGPでは、しばしば“アンダーカット”が極めて重要になるが、今回持ち込まれる3種類のコンパウンドのなかで、各チームがこの新しいタイヤをどう活用するのか興味深い」
なおピレリは、今回のバーレーンGPのスリックタイヤ最低空気圧をフロント21.0psi、リヤ18.5psiに指定し、キャンバー角の限界値をフロント-3.5度、リヤ-2度としている。
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです