【角田裕毅F1第3戦分析】“入賞できるペースはない”状況下で粘りの走りが報われポイント獲得も、5位を逃し複雑な胸中
F1第3戦オーストラリアGPのレース後、国際自動車連盟(FIA)の車検室で体重を測定して出てきた角田裕毅を満面の笑みで出迎えるアルファタウリの広報。しかし、角田の表情は冴えない。その理由は、2回目の赤旗後の再スタートで、角田はライバル勢が引き起こした接触事故をかいくぐって5番手まで浮上していたからだ。直後にレースは3度目の赤旗となり、角田はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)に次ぐ、5番手でピットレーンに帰ってきた。
しかし、2度目の赤旗後の再スタート直後に、3度目の赤旗が出されたことで、その再スタートのポジションを巡って、情報が錯綜した。赤旗が出されたタイミングで全車がどのポジションにいたのかという明白なデータがないからだ。そこで、レースディレクターのニールス・ウィティヒは、スチュワードとの話し合いを行い、レースを再開するための時間的な制約も鑑みて、3回目再スタートの序列は、2回目の再スタート時のグリッド順とした。
ただし、2回目の再スタート後にダメージを負って再スタートに加われないマシンはレースから除外されるため、角田の3回目のポジションは5番手ではなく、2回目の再スタートのポジションである13番手から2台のアルピーヌが消えた分、繰り上がって11番手となった。
さらにレースは残り1周で再開されるため、セーフティカー先導でのフォーメーションラップの後、そのままの隊列でチェッカーフラッグを受けることとなった。そのため、角田は11番手のままフィニッシュした。
ところが3度目の赤旗でフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と接触事故を起こしていた4番手フィニッシュのカルロス・サインツ(フェラーリ)に5秒のタイムペナルティが科せられ、サインツは12位に後退。代わって角田のポジションがひとつ上がって10位となった。
アルファタウリにとっては今シーズン初入賞となったが、角田の心のなかは5位を逃したという気持ちのほうが強かった。それでも、厳しいレース展開のなかで1ポイントを獲得した粘りの走りは見事だった。
「普通にレースが進んでいれば、僕たちにはポイントを獲ることができるペースはありませんでした。そう考えると、ポイントを獲ってレースを終えられたことはよかったと思います」
ポイントは獲得したが、心の底から喜べないアルバートパークの1点だった。
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