アルファタウリF1、2024年はプルロッド式フロントサスペンションに変更か。レッドブルが協力関係強化を計画
2022年にF1に新しい技術規則が施行されて以来、スクーデリア・アルファタウリの競争力は低下しており、レッドブル本社の経営陣はチームの将来についてさまざまな選択肢を検討することになった。そのなかのひとつがチームを売却することで、今もその選択肢は完全には消滅していないものの、実行に移される可能性は低くなってきた。レッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナーとモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコが、アルファタウリの存在がレッドブル・レーシングにとってどれだけ重要かを、企業プロジェクトおよび投資担当CEOオリバー・ミンツラフに懸命に説明したためだ。
アルファタウリが突然競争力を失った主な理由のひとつは、風洞にまつわる状況の変化であると、広く考えられている。アルファタウリは、2021年シーズンを前に、10年近く使用してきたビスターに位置する50%スケールの風洞から、より現代的なミルトン・キーンズの60%スケールの風洞に移行したが、その年、トロロッソ時代から長年、風洞プログラムを担当してきたフランク・サンチェスがアルファロメオ/ザウバーに移籍した。
アルファタウリの存在をより有効に活用したいと考えるレッドブルは、フェラーリとハースの協力関係が成功を収めていることに注目している。F1にデビューした2016年以来、ハースはフェラーリとの技術提携のもとに活動を行っており、2021年にはさらに協力関係を深め、フェラーリの本拠マラネロにデザインオフィスを構え、フェラーリから多数のスタッフが移ってきた。2019年、2020年とランキング9位、2021年には10位だったハースは、2022年には8位に浮上した。
これを見たレッドブルは、アルファタウリとの間により緊密な関係を築くことを計画している。アルファタウリとの関係を深めることで、2024年型RB20の重要な領域に、より多くのリソースを投入することが可能になるというのが、チームの考えだ。
すでに、来年のフロントサスペンションは、レッドブルとアルファタウリで同じ方式のものを使用するということが決まっているようだ。現在、レッドブルRB19のフロントサスペンションはプルロッド式だが、アルファタウリAT04はプッシュロッド式となっている。
フロントサスペンションは車体の中央部と後部への空気の流れに大きな影響を与える重要なパーツであるが、アルファタウリがすでにレッドブルの専用風洞を使用していることで、作業はやりやすくなるはずだ。
レッドブルは、アルファタウリが今年のうちにも大きな進歩を遂げることを強く望んでいる。アルファタウリのテクニカルディレクター、ジョディ・エギントンと彼のチームは、AT04を積極的にアップデートしていく計画を立てており、オーストラリアGPに投入した新しいフロアには、低速コーナーでのパフォーマンス改善が見られたと述べている。
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