マクラーレンF1のチーム代表であるアンドレア・ステラは、F1第15戦イタリアGPで起きたオスカー・ピアストリとランド・ノリスの接触は、“容認できない”もので、チームのレースのあり方を反映していないと述べた。

　ピアストリは新品のハードタイヤに交換して24周目にピットから出てきたところで、1周早くピットストップしていたノリスに捉えられ、ふたりはファーストシケインのブレーキングゾーンへなだれ込んだ。ピアストリはコーナーでワイドになり、アウト側にいたノリスに衝突しそうになった。ふたりは軽く接触したが、どちらのマシンもダメージを負うことはなく、スチュワードはこの接触についてさらなる調査は必要ないと結論づけた。

　しかしステラは不満で、このインシデントは「チームのポジションを脅かしたので、容認できない」と見なした。

「マクラーレンの2台のマシンが接触することは決してあってはならない」とステラは語った。

「マクラーレンのレースのやり方にふさわしくない接触があった」

「重要なのは、何が許容できて何がそうできないかを判断するにあたって、明確なパラメータを持つことだ。他のことと同様に、感情的なものではない」

「レースにも同様の方法で取り組む。どのドライバーよりも大きなものがあることは非常にはっきりしている。それはチームだ」

　しかしステラはドライバーたち、特にピアストリには少し余裕を与えているようだ。おそらくピアストリは冷えたタイヤに足を取られたと推測しており、この件はさらに詳細な検討を必要としていると述べた。

「見直しをする必要がある。すべてのことと同様に、我々は冷静に見直しを行うだろう。急いでしなければならないことは何もない。必要な調整を行うつもりだ」

「ピットを離れる時は常に少々トリッキーなものだ。特にハードタイヤではね。確かにオスカーは、順位を維持するためにどこにいたらいいか探していたのかもしれない。しかし冷えたタイヤでそうするのは、彼が予想していたよりも若干難しかった可能性がある。これはちょっとした判断ミスであると、完全に結論づけることができるだろう」

「両ドライバーは、2台のマクラーレンによる接触があってはならないことを認識していた。これは単に実行するにあたっての問題だ。我々はみんな、何かを実行するのに問題を抱えている」

　また、ノリスのためのアンダーカット戦略が接触を招いたのではないかと言われたステラは、チームのドライバーが自分自身を肯定して、チームよりも自分の利益を優先することは依然として容認できないと繰り返した。

「アンダーカットのプレッシャーがあったことが接触の原因であれば、我々には見直すべき点がある。なぜなら、それはドライバーが自分自身を肯定することで、チームを危険にさらしたということだからだ。これは受け入れられない」

　ステラは、自身のアプローチはフェラーリの“ドライバーにレースをさせる”方針と正反対のものではないと否定した。フェラーリの方針は、イタリアGPの終盤にカルロス・サインツとシャルル・ルクレールのおかげでうまく機能していた。

「私の役割は、彼らがレースをできるようにするための原則と明確なパラメータを与えることだ。これが我々が目にしたいと考えているものだ。今日のフェラーリのような様子を見るのはエキサイティングだ」

「パラメータ内にどう留まるかということについては、我々はドライバーではないので言うべきことではない」

「実際彼らは、『タイヤが少し冷えているから、もっとマージンを取る必要があるかもしれない』と考えるスキルと経験を持ち合わせている。彼らは一線を超えるべきではないということを認識する必要がある」